トロンボーンの「小粋なジャズ」
「小粋なジャズ」盤を求めて、色々と探索している。色々な切り口から「小粋なジャズ」盤の情報を収集しているのだが、Twitterのジャズ盤に関するツイートは貴重な情報源だったりする。時々、こんな盤があるのか、と感じて、音源を検索したりして「小粋なジャズ」盤をゲットしている。
Lawrence Brown『Slide Trombone』(写真左)。1955年1月26日と9月14日の2セッションの録音になる。
ちなみにパーソネルは、1月26日の録音は、Lawrence Brown (tb, arr), Sam Taylor (ts), Leroy Lovett (p), Lloyd Trotman (b), Louis Bellson (ds)。9月14日の録音は、Lawrence Brown (tb), Ralph Burns (ar), Alvin Cohn , Arthur Clarke (ts), Daniel Bank (bs), Ernie Royal , Phillip Sunkel (tp), Hank Jones (p),Wendell Marshall (b), Jo Jones (ds)。
Verveレーベルらしいオールスター・ジャムセッションの様なメンバー編成。ただ、ミュージシャンの名前を見渡すと、9月14日の録音のリズム隊に、ハンク・ジョーンズ、ウェンデル・マーシャル、ジョー・ジョーンズという「馴染みの名前」があるが、その他は、ビ・バップ以降のいわゆる「モダン・ジャズ」を賑わせた名手達では無い。
他は1920年前半生まれのメンバーが多数なので、スイング・ジャズ世代のジャズマン達ということになる。ということで、この盤の演奏の雰囲気は「スイングもしくは中間派」なジャズの音である。
しかし、モダン・ジャズに親しんだ「ジャズ耳」にも違和感は無い。4ビートのスインギーな聴いて楽しいジャズがてんこ盛りである。スタイルが古かろうが、楽しいジャズには変わりは無い。聴いていて、自然と足でリズムを取って、体が4ビートに横揺れする。
リーダーのローレンス・ブラウンのトロンボーンは個性的。ゴリゴリ、ブリブリな太くて丸い、とても重厚なトロンボーンらしい音で、流麗なフレーズを吹きまくる。あまりに流麗なので、バルブ・トロンボーンかと思うが、タイトルにドーンと「スライド・トロンボーン」とあるので、スライドである(笑)。
スライドでこれだけ速いフレーズを流麗に吹き切るテクニックは相当、高いものがある。加えて、トロンボーンの音色は肉声に近いものがあるが、ローレンス・ブラウンのトロンボーンは歌心も兼ね備えている。唄う様なアドリブ・フレーズは聴いていて、とても心地良い。
バックのメンバーもそれぞれ、質の高い演奏を繰り広げていて、「スイングもしくは中間派」なジャズであるが、ジャズの楽しさの基本をしっかり押さえていて、聴き応えがある。さすが、この時期のVerveレーベルのジャズ盤は、少し古いスタイルのジャズでも質が高い演奏ばかりである。
実は、僕はこの盤を知らなかった。Twitterのジャズ盤に関するツイート「さまさま」である。ジャケットのイラスト(写真左)も、古き良きジャズを彷彿とさせ、ジャジーな趣きがあって良い。そう、この盤、「ジャケ買い」盤でもある。
ツイートを見て「こんな盤、あったんや」と思って、ジャケを見て「これは良さそう」と思い、ゲットして聴いて「これは良い」。「小粋なジャズ」との出会いはいつも突然である。
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