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2022年8月11日 (木曜日)

欧州時代のデックスに外れ無し 『Parisian Concert』

「小粋なジャズ」を探索していて、今まで聴いたことが無かった「小粋なジャズ」盤は、意外と欧州ジャズにゴロゴロしている。

もともと、我が国では、欧州ジャズ盤の入手が容易では無かったので、そもそも、手にすることの出来る盤の数が少なかったこと。そして、21世紀のネットの時代になって、ストリーミングで聴くことが出来る欧州ジャズ盤の数が飛躍的に増えたのが主要因だと思っている。

Dexter Gordon, Sonny Grey & Georges Arvanitas Trio『Parisian Concert』(写真左)。1973年2月16日、パリの「L'Ecole Normale Supérieure」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Dexter Gordon (ts), Sonny Grey (tp, track: 1, 2, 5 to 7), Georges Arvanitas (p), Jacky Samson (b), Charles Saudrais (ds)。

バックのリズム・セクションは、オール・フランス。フロント2管のうち、テナーのデクスター・ゴードン(デックス)は米国出身、トランペットのソニー・グレイはジャマイカ出身。デックスが欧州に移住していた頃のパリでのライヴ録音。聴衆の熱狂ぶりから、デックスの人気が欧州では高いものがあったことが良く判る。
 

Parisian-concert

 
欧州時代のデックス盤は、どれもが良好な内容で「外れ」が無い。このライヴ盤も例に漏れず、で、まず、デックスのテナーが好調。大らかに唄うが如くの悠然としたブロウは魅力満点。モダン・ジャズのテナーって、かくあるべし、という感じの、ジャジーでブルージーでアーバンなテナーの響きが心地良い。

デックスお得意の「Fried Bananas」、コルトレーンの「Some Other Blues」やソニー・グレイのモーダルな「No Matter How」など、小粋な選曲も良い感じ。1970年代前半のデックス、モーダルなパフォーマンスについても、苦も無く、流麗に対応しているのは立派である。

オール・フランスのリズム・セクションも堅調で、盤全体、良い雰囲気のメインストリームな純ジャズに溢れている。取り立てて突出した優秀点は無いのだが、聴いていて、ビンビンにジャズを感じる演奏には、ついつい引き込まれる。しばらく、CDでは入手困難だったが、今回、僕はストリーミングで聴くことが出来ました。ネット時代の恩恵さまさまです。
 
 

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