ジャズテットの魅力を再認識する
僕にとって、ベスト3に入るトランペッター、アート・ファーマー。意外と、当ブログで記事にしたリーダー作が残っている。主要なリーダー作だけで十分満足出来るトランペッターで、なかなか、ディスコグラフィーに上がっている「小粋なリーダー作」や「隠れ名盤」の類に手が回っていない状況。これは「イカン」ということで、しっかり、ファーマーのリーダー作の「落ち穂拾い」をやっている。
Art Farmer & Benny Golson『The Jazztet : Big City Sounds』(写真左)。1960年9月の録音。ちなみにパーソネルは、Art Farmer (tp), Benny Golson (ts). Tom McIntosh (tb), Cedar Walton (p), Tommy Williams (b), Albert Heath (ds)。いわゆるファーマーとゴルソンの双頭リーダーのバンド、「ジャステット」ものである。メンバーは粒ぞろい。趣味の良いファンキー・ジャズが展開されている。
全9曲中、ゴルソン作が5曲、スタンダード曲が4曲。どの曲にも「ジャズテット」ならではの、ベニー・ゴルソンの手になる、ゴルソン・ハーモニーをメインとした、ファンキーでキャッチャーなアレンジが施されている。これが聴いていてとても心地良い。かつ、アレンジのレベルが均一なので、アルバム全体に統一感があって、聴いていてとても楽しい。前作のバンドとしてのデビュー作『Meet the Jazztet』よりも、バンドの演奏の一体感が更に高まっている。
タイトル通り、都会的でジャジーな演奏がてんこ盛り。ファーマーの「力感溢れ端正でブレが無く流麗でウォーム、ブリリアントで聴き心地の良いトランペット」は絶好調。ゴルソンのテナーも絶好調。骨太で大らかな力感溢れるブロウで、ファーマーとの2管フロントを取り仕切る。こうやって聴いていると、ファーマーのトランペットとゴルソンのテナーって相性抜群なんですね〜。まあ、双頭リーダーでバンドを組むくらいだから当然と言えば当然か。
前任者カーティス・フラーに代わって入った、新メンバーのトム・マッキントッシュが結構健闘している。堅実で切れ味の良いトロンボーンを聴かせてくれる。同じく、前任者マッコイ・タイナーの後に加入したシダー・ウォルトンが、自由度の高い、モード風のインテリジェンス溢れるプレイで、ジャズテットに新しい音の響きを付加している。
長年、CDで入手するのに苦労する環境が続いたのですが、最近では、サブスク・サイトにも音源がアップされているようで、気軽に聴ける環境になったことは実に喜ばしい。我が国では意外と人気の薄い「ジャズテット」ですが、バンドとしてのデビュー作『Meet the Jazztet』と併せて、当アルバムを聴けば、「ジャズテット」の魅力的なファンキー・ジャズの世界を再認識すること請け合いです。
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