土曜日の「Super Guitar Trio」
1981年のリリースで、アル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリン、パコ・デ・ルシアという3人のギタリストによる、アコースティック・ギター3本だけの演奏を収録したライヴ盤があった。
超絶技巧なフュージョン系ギタリスト二人と、超絶技巧なフラメンコ・ギターの雄、3人でのライヴ・パフォーマンス。この3人の名前を見ただけでも「フュージョン(融合)」な取り合わせを感じて、今の耳で聴いても、素晴らしいライヴ・パフォーマンスの記録である。
そのライヴの記録とは『Friday Night In San Francisco(邦題:スーパー・ギター・トリオ・ライヴ !)』(写真右)。 超絶技巧の限りを尽くした、目眩くアコギの弾きまくり。それが1人では無く、3人がかりでやるのだから、そのパフォーマンスたるや、それはそれは、ど迫力で呆れるばかりのハイテクニックの嵐。
1981年と言えば「フュージョン・ジャズ」の全盛期のピーク。もともと、フュージョン・ジャズはギターが人気で、そのギターは超絶技巧、目眩く速弾きフレーズの弾きまくりが「目玉」。そんなフュージョン・ギターの最高峰の演奏が、この『スーパー・ギター・トリオ・ライヴ !』であり、そんなライヴ盤が、フュージョン・ジャズの全盛期のピークにリリースされ、人気を博した。ジャズの歴史の中で、象徴的なライヴ盤だった様な気がする。
Al Di Meola, John McLaughlin, Paco De Lucia『Saturday Night in San Francisco』(写真左)。1980年12月6日、米国サンフランシスコのウォーフィールド劇場でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Al Di Meola, John McLaughlin, Paco De Lucia (g)。超絶技巧ギタリスト3人のライヴ・パフォーマンスの記録になる。
先にご紹介した『Friday Night In San Francisco(邦題:スーパー・ギター・トリオ・ライヴ !)』は、このライヴ盤が録音された前日のライヴ音源。録音場所は同じ「米国サンフランシスコのウォーフィールド劇場」。今回リリースされたライヴ音源は、既出の『スーパー・ギター・トリオ・ライヴ !』の収録日の翌日、全く同じメンバー・会場でのライヴ録音の音源になる。
しかし、こんな音源が21世紀になって発掘されるとは驚きである。この6日の公演はこれまで録音されていないと思われていたのだが、アル・ディ・メオラ所有の16トラックのテープを見直し、12月6日の公演から未発表の8曲を見つけ出した、のこと。なんせ、12月5日の公演で演奏した当の本人達も、第二夜を演奏したことを覚えてなかったらしい。よく発掘したもんだ。
さて、内容的にはどうか、と聴けば、12月5日の『Friday Night In San Francisco』の伝説的パフォーマンスと勝るとも劣らない、素晴らしいパフォーマンスが展開されてるから、二度驚き、である。
曲のレベルも遜色無い。例えば、「金曜日版」の出だしが「Mediterranean Sundance」に対して、この「土曜日版」の出だしが「Splendido Sundance」と、全曲、同じハイレベルの楽曲が並んでいる。
特に、この「土曜日バージョン」は、3人それぞれのソロ・パフォーマンス、無伴奏のソロ曲が3曲、記録されている。しかし、3人のギター・テクニックの凄まじさたるや、感動を通り超して、呆れるほどの超絶技巧さ。しかも、歌心が溢れ、即興性の高いインタープレイは見事という他は無い。
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