新しい響きの「ビ・バップ」
とにかく暑い。3日ほど前までは不安定な天候で「前の梅雨明け宣言は間違いやったな」と思っていたら、一昨日辺りから、晴れるようになったら、途端に湿度過多の酷い暑さがやってきた。前の梅雨明け宣言時は、これほど湿度は高くなかったのだが、今は朝から外出を憚るような、異常なほどの湿度の多さ。これでは、ジャズ鑑賞もままならない。
Pasquale Grasso『Be-Bop!』(写真左)。2022年6月のリリース。ちなみにパーソネルは、Pasquale Grasso (g), Ari Roland (b), Keith Balla (ds), Samara Joy (vo, track:5)。タイトル通り、イタリア出身のギタリスト、パスクァーレ・グラッソの「パーカー、ガレスピー、そして、師バリー・ハリスに捧げたビバップ曲集」である。
圧倒的テクニックを誇る、イタリア出身のギタリスト、グラッソが「ビ・バップ」をやる。とても興味深い企画盤である。超絶技巧なテクニックを駆使して、電光石火のアドリブ・フレーズを即興で弾きまくる「ビ・バップ」。現代の超絶技巧なギタリストが、このジャズの古典的な「ビ・バップ」をどう解釈し、どう個性を付加して展開するのか。興味津々でこの盤を聴き始める。
まるでピアノを弾いているかの如き音を、ギター一本で奏でるのには参った。ピアニストの左右の手をギターに置き換える「独特の手法」は、超絶技巧なテクニックを持っているが故に実現出来る手法。ギターのビ・バップ演奏にありがちな「単音が故の単調さ」を全面的に払拭し、ギターによって、音調が豊かでスインギーな「ビ・バップ」を表現している。これは今までに聴いたことが無い、ギターのビ・バップ演奏だ。
今までに聴いたことが無いギター手法で「ビ・バップ」を表現しているのだが、パスクァーレの演奏は、新しい響きを湛えて尖っているのでは無く、どちらかと言えば、ノスタルジックで一種懐かしい雰囲気がする。ちょっとだけ聴けば、1950年代のジャズ・ギターの響きと間違えそうな響きなのだが、その超絶技巧なテクニック故に、現代の最先端の響きとすぐに判る。
「Shaw ‘Nuff」「Groovin’ High」「Cheryl」「Ornithology」「Be-bop」「Ruby, My Dear」「Quasimodo」 など、ビ・バップの名曲を、新しい響きのギターで、ビ・バップ独特の音の雰囲気そのままに、スインギーにジャジーに弾き進めていく。南イタリア出身で現在33歳のギタリストのパスクァーレ、末恐ろしい若手ギタリストである。
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