ジャズ喫茶で流したい・242
「小粋なジャズ」盤を探しては聴いている。ネットを徘徊していて「The Roy Haynes Trio」の盤に引っ掛かった。「The Roy Haynes Trio」と言えば『We Three』という名盤がある。こちらは、ベースにポール・チェンバース、ピアノにフィニアス・ニューボーンJr.。錚々たるメンバーなんだが、もう一つ「The Roy Haynes Trio」の盤があるのか、と思わずチョイス、である。
The Roy Haynes Trio『Just Us』(写真左)。1960年7月5日、New JerseyのVan Gelder Studioでの録音。ちなみにパーソネルは、Roy Haynes (ds), Richard Wyands (p), Eddie De Haas (b)。ジャズ・ドラムの職人ロイ・ヘインズがリーダーのトリオ盤。ピアノにリチャード・ワイアンズ、ベースにエディ・デ・ハース、と知名度が低いパーソネルにちょっとビックリ。
というのも、この盤、なかなかの出来なのだ。1960年の録音なので、基本、ファンキー・ジャズなトリオ演奏かと予想したのだが、冒頭の「Down Home」の意外な軽快さに、ちょっとビックリする。とても小粋な軽快さ。適度なファンクネス、切れ味の良いリズム&ビート、アーバンでジャジーな弾き回し。この1曲だけで、この盤は「隅に置けない」盤だということが理解出来る。
美しい旋律を持つ「Sweet and Lovely」や「Con Alma」については、過度に耽美的にならず、甘きに流されず、アーバンで良い意味で「お洒落な」演奏になっていて、これまたビックリ。マイナーな存在の、ピアノのリチャード・ワイアンズ、ベースのエディ・デ・ハースがとても良い仕事をしている。もちろん、リーダーのヘインズのドラムは絶好調で、各曲でバリバリ職人芸的なドラミングを連発する。
ラストの「Speak Low」が、実に味のある演奏になっている。ちょっと地味だけど、ファンクネス漂う名スタンダード曲なんだが、ちょっと速いテンポで、切れ味の良いトリオ演奏を繰り広げる。ファンクネス漂う切れ味の良いピアノ、正確なウォーキング・ベース。そして、何より、リズム・キープ優先だが、職人芸的なテクニックを繰り広げるドラミング。味のある、小粋なピアノ・トリオ演奏。
実は、最近まで僕はこの盤の存在を知らなかった。知ってビックリ、知って感心。パーソネルに騙されることなかれ。この盤の「教訓」。小粋で味のあるピアノ・トリオ演奏。この盤、もっと聴かれて然るべき、優れた内容のピアノ・トリオ盤です。ドラミングの妙も素晴らしく、加えてこの盤、ドラマーがリーダーの優秀盤でもあります。
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