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2022年7月16日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・243 『Tour De Force』

先々週の土曜日より、梅雨が戻った様な、イマイチの天気がずっと続いている千葉県北西部地方。一昨日からは定期的にゲリラ豪雨に見舞われて、ゴーッという雨の音にビックリしたりする。天気が悪いのに加えて、湿度が異常に高い。少し、家事で動いたら、汗が噴き出てくる。こういう時、気持ちがスカッとするジャズを聴きたくなる。

Roy Eldridge, Dizzy Gillespie, Harry Edison『Tour De Force』(写真左)。1955年11月2日、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Roy Eldridge (tp), Dizzy Gillespie (tp), Harry 'Sweets' Edison (tp), Oscar Peterson (p), Ray Brown (b), Herb Ellis (g), Buddy Rich (ds)。録音当時の人気トランペッター3人が共演した、ノーマン・グランツ監修の、Verveお得意のジャム・セッション盤。

フロント3管が全てトランペット。ロイ・エルドリッジはサッチモの演奏手法を継承、スイング時代に活躍したスター・プレイヤー。ハリー・エディソンはベイシー楽団の人気トランペッターで、「Sweets」の愛称の通り、甘い音色と分かり易いフレーズが身上。そして、ディジー・ガレスピーは、魅力的なハイノート・ヒッターであり、流麗で歌心溢れる豊かな表現力が魅力のビ・バップを創成したイノベーター。
 

Tour-de-force_1

 
バックのリズム・セクションは、ギター+ピアノ・トリオ。フロントのトランペットは3人共に、当時の人気トランペッターがズラリ、バックのリズム・セクションは、録音当時のピーターソン・トリオにドラムのバディ・リッチを加えた、豪華かつハイレベルなもの。

当然、演奏のレベルは高い。どのジャズマンのソロ・パフォーマンスであれ、聴いていて「おっ」と聴き耳を立ててしまうくらい、その演奏テクニックと歌心は充実している。特に、主役のトランペッター3人が好調で、次々とバトン・タッチされていくソロ・パフォーマンスと、丁々発止とやりあうアドリブ合戦は聴き応え満点。時に速いテンポの演奏については、聴いた後、スカッと爽快感を感じる。

当時のノーマン・グランツ・プロデュースお得意のバラード・メドレーが、これまた出来が良くて、参加メンバーそれぞれの高いレベルの歌心満載なソロ演奏を楽しむ事が出来る。とてもモダンなジャム・セッションで、単純にモダン・ジャズをあっけらかんと楽しむ事が出来る。録音も良くて、難しいことを考える事無く、リラックスして聴ける、聴いて気持ちがスカッとなるジャズ盤である。
 
 

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