ロイとディズの華やかな競演
2週間ほど前に、Roy Eldridge, Dizzy Gillespie, Harry Edison『Tour De Force』について語ったのだが、この盤、録音も良くて、難しいことを考える事無く、リラックスして聴ける、聴いて気持ちがスカッとなるジャズ盤。そういえば、ディジー・ガレスピーとロイ・エルドリッジが組んだ、同じ様なトランペット・バトルな盤があったなあ、と思い立った。
Roy Eldridge & Dizzy Gillespie『Roy and Diz』(写真左)。1954年10月29日、NYでの録音。Verveレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Roy Eldridge, Dizzy Gillespie (tp, vo), Oscar Peterson (p), Herb Ellis (g), Ray Brown (b), Louis Bellson (ds)。ディジー・ガレスピーとロイ・エルドリッジがフロント2管、バックは、オスカー・ピーターソン・トリオ+ドラム。
Verveレーベルの人気ジャズマンを集めての、プロデューサーのノーマン・グランツお得意のジャム・セッションの記録。ハードバップ初期のシンプルで覇気溢れる演奏を聴くことが出来る。フロントはトランペット2本。人気のトランペッター、ガレスピーとエルドリッジが担当。師匠と弟子の華やかな競演、良く似てはいるが、個性は全く異なる本格派トランペッターの2人である。
ガレスピーとエルドリッジ、共にエモーショナルでブリリアントな吹きっぷりで、聴いていてとても楽しい。ロイ・エルドリッジはサッチモの演奏手法を継承、スイング時代に活躍したスター・トランペッター。ガレスピーの師匠としても知られている存在。大変なハイノート・ヒッターで、このハイノートが気持ち良く伸びて、耳触りで無いのが凄い。
ガレスピーは、流麗で歌心溢れる豊かな表現力が魅力のビ・バップを創成したイノベーター。ガレスピーのハイノートは、師匠のエルドリッジととても良く似て聴き分けが出来ないくらい。エルドリッジとの個性の違いは「流麗」なところ。ガレスピーは低音域から高音域まで、滑らかでスッとした柔らかな音の伸び。エルドリッジは中音域はザラっとしていて、高音域は突き上げるような切れ味が個性。この辺りが2人を聴き分けるポイントかな。
このアルバムは、当時色々なタイトルで出ていたアルバムを一枚にまとめたコンプリート盤。アップテンポ、バラード、オープン、ミュート、バトルなど、トランペットがメインのジャズの楽しいところが満載。加えて、2人とも歌が上手い。まさに「JATP」といったノーマン・グランツがプロデュースのアルバム。湿気の多い酷暑の日々に、スカッと爽快感感じるシンプルなジャズ盤。難しいことを考えずに、ただただ、トランペットのバトルに耳を傾ける。
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