ケニー・バロンの隠れライヴ名盤
先日、6月9日がケニー・バロンの誕生日だったそうで、Twitter上でバロンの様々なリーダー作について、結構沢山、ツィートされていた。ケニー・バロンって、世界的に見ると意外と人気の高いピアニストだったんやなあ、と改めて驚いた。ちなみに、僕にとっては暫く忘れていたピアニストだったのだが、その誕生日を境に、バロンのリーダー作の聴き直しを始めた。
Kenny Barron『Imo Live』(写真左)。1982年6月9日、東京の中野南口の「Imo House(いもはうす)」でのライヴ録音。1983年のLPでのリリース時は「Whynotレーベル」から、CDリイシュー時は「PJL(Polystar Jazz Library)」からのリリース。我が国のジャズ・レーベル発のライヴ盤である。ちなみにパーソネルは、Kenny Barron (p), Buster Williams (b), Ben Riley (ds)。
ケニー・バロンが49歳、ベースのバスター・ウィリアムスが42歳、ドラムのベン・ライリーが48歳、トリオを編成する3人、皆、中堅の一流どころ。全編に渡って、テクニック優秀、充実したライヴ・パフォーマンスが展開されている。3人それぞれが「達人」の域なので、聴き応えのある、ダイナミックでメリハリの効いたインタープレイを聴くことが出来る。
癖が無く端正なところがバロンのピアノの個性。平均的に素晴らしいプレイを聴かせるところが、いわゆるピアニストとしての総合力の高さが個性。その「総合力」全開、バロンはガンガン弾きまくる。ウィリアムスのベースが、しっかりと演奏のベースラインをしっかりと押さえ、ライリーのドラムが演奏のリズム&ビートをしっかりと供給する。そんな優れたパフォーマンスが、このライヴ盤を通じて、しっかりと伝わってくる。
ケニー・バロン作が1曲、残り3曲はスタンダード曲。特にスタンダード曲は「Manha Do Carnaval(Black Orpheus)」「Rhythm A Ning」「Someday My Prince Will Come」と、ボサノバあり、モンク曲あり、ディズニー曲あり、様々な曲想のスタンダード曲を、総合力で勝負するピアニストのバロンは、その「総合力」を駆使して、見事に弾き分けている。スタンダード曲こそが、総合力勝負のピアニストの得意とするところなんだろう。
演奏のスタイルはハードバップだが、それまでに無い、新しい響きを聴くことが出来る。後のネオ・ハードバップの萌芽を確認することが出来る、なかなか内容のあるライヴ盤である。ジャケットも優秀、我がヴァーチャル音楽喫茶『松和』では、ケニー・バロンの隠れライヴ名盤として、長年愛聴しています。
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