『Midnight Special』の兄弟盤 『Back at the Chicken Shack』
ジャズ・オルガンのイノベーター、ジミー・スミスは、ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンに見出され、ジャズ・オルガンのスター的存在となった。当然、スミスのオルガン盤はいずれもヒットし、零細企業のブルーノートにとっては「ドル箱」だった。
が、スミスは、さらなる好条件を提示したヴァーヴに移籍する。自分が育てたジャズマンがステップアップしていくことを、アルフレッド・ライオンは一切止めることは無かった。喜んで送り出したくらいだそうだ。スミスはその恩義を忘れず、かなりの数の優れた内容の録音を残していった。
Jimmy Smith『Back at the Chicken Shack』(写真左)。1960年4月25日の録音。1963年のリリース。ちなみにパーソネルは、Jimmy Smith (org), Stanley Turrentine (ts), Kenny Burrell (g), Donald Bailey (ds)。前作の名盤『Midnight Special』と同一メンバー、同一日のセッション。
「Back at the Chicken Shack」と「Messy Bessie」2曲がギター入りカルテットの演奏、「When I Grow Too Old to Dream」と「Minor Chant」、CDボートラの「On the Sunny Side of the Street」は、オルガン+テナー+ドラムのトリオ演奏。名盤『Midnight Special』と同一セッションである。『Midnight Special』との兄弟盤的位置づけの盤で、演奏内容は「折り紙付き」である。
ジミー・スミスは1962年にヴァーヴ・レコードに移籍したので、このブルーノート盤はスミスの移籍後のリリースになる。ジミー・スミスのオルガン盤は、ブルーノート・レーベルでの「ドル箱」、そして、この『Midnight Special』セッションの未発表音源の出来が凄い良い。当然、アルバム化してリリースするよな、というところか。
ジミー・スミスがハード・バップから、ソウル・ジャズに深化した、歴史的セッションの一部である。初期の頃の様に、攻撃的にオルガンを弾きまくること無く、余裕を持った包み込む様なオルガンの音、ファンクネスだだ漏れ、アーバンでジャジーでソウルフルな、ジミー・スミスのソウル・ジャズがこの盤の中に詰まっている。
『Midnight Special』とセットで聴き通したい。スタンリー・タレンタインのテナー・サックスが「ソウル・ジャズ」を具現化、スミスのオルガンと共に、とってもソウルフルな響きが魅力です。長年の相棒、ベイリーのドラム、漆黒アーバンでブルージーなバレルのギターも良し。良いアルバムです。
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はじめまして。ハモンドオルガンを演奏しています。
素晴らしい文章表現でとても楽しく拝見しています!ありがとうございます。今後も楽しみにしています!
投稿: タカ | 2022年7月13日 (水曜日) 21時26分