スターンの13th.盤は「当たり」
このところ、メインストリーム系の純ジャズを聴くことが多かった。するとどこかのタイミングで、いきなり、コンテンポラリーな純ジャズ、若しくは、フュージョン・ジャズ、それも、クラシック・フュージョンが聴きたくなる。
Mike Stern『Who Let The Cats Out?』(写真左)。2006年8月のリリース。可愛い「猫ジャケ」で有名な、マイク・スターンの通算13作目のリーダー作。「コンテンポラリーな純ジャズ」な内容の好盤。
ちなみにパーソネルは、Mike Stern (g), Chris Minh Doky (ac-b), Meshell Ndegeocello, Victor Wooten, Anthony Jackson (el-b), Richard Bona (el-b, vo), Kim Thompson, Dave Weckl (ds), Jim Beard (p, org, syn), Bob Franceschini, Bob Malach (sax), Roy Hargrove (tp), Gregoire Maret (harmonica)。
曲によって、メンバー編成を変えていて、マイク・スターンのギターとジム・ビアードのキーボード、ボブ・フランセスチーニのサックスが中心メンバーで、トランペットでロイ・ハーグローヴが2曲参加。ハーモニカのグレゴア・マレが2曲参加。サックスで、ボブ・マラックが1曲参加。ベーシストについては、5人のベーシストを曲によって使い分けている。
マイク・スターンのエレギは絶好調。以前は「スターンと言えばテレキャス」だった。が、最近は恐らく、Yamaha PA1611MS(テレキャスをベースに深くえぐれたカッタウェイが特徴のヤマハのエレギ)がメインだと思うんだが、とにかく、スターンのエレギがとても良く鳴っている。従来のスターンの独特の音色、切れ味の良いカッティングの躍動感とスピード感が増している様だ。
4ビート曲も多めで、どこか「カムバック後のエレ・マイルス」の雰囲気を宿していて、さすがスターン「マイルス・チルドレンの優等生」である。ファンクネスを控えめにしつつ、ポップ度を高めた「カムバック後のエレ・マイルス」という感じの演奏が聴いていて楽しい。
参加メンバーもそれぞれ良い味を出していて、リチャード・ボナのスキャットは「爽快」、マレのハーモニカは「センチメンタル」、ウェックルのドラムは「21世紀の千手観音ドラミング」。ミッシェル・ンデゲオチェロは「グルーブ感溢れるベース」。この多彩な参加ミュージシャンの個性もこの盤の「聴き応え」に大きく貢献している。
マイク・スターンのリーダー作は出来にバラツキがあるが、この盤は「当たり」。とにかく、スターンのギターが良く鳴り、良く唄っている。こういう時のスターンは無敵。第49回グラミー賞では最優秀コンテンポラリー・ジャズ・アルバム賞にノミネートされたのも頷ける内容。好盤です。
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