グリーンが奏でるラテン・ジャズ
ジャズ・ギタリストの中で、グラント・グリーンは「知る人ぞ知る」、マニアックな存在のギタリストである。パッキパキなシングル・トーンで、ファンキーなギター。シングル・トーンがメインなので、ちょっとだけ聴くと「なんか下手くそ」な感じがするんだが、どうして、テクニックは一流。
どっぷりファンキーなフレーズは、グリーン独特のトーン。僕にとって、グラント・グリーンは「フェイバリット・ギタリスト」の1人である。だが、我が国では、何故だか判らないが、意外とグラント・グリーンが「好きなギタリスト」として名前が挙がることが少なかった。1990年代のブルーノートの全面再発で、やっとその名前が再認識され始めたみたいだ。
Grant Green『The Latin Bit』(写真左)。1962年4月と9月の録音。ブルーノートの4111番。ちなみにパーソネルは、Grant Green (g), John Adriano Acea (p), Wendell Marshall (b), Willie Bobo (ds), Carlos "Patato" Valdes (conga), Garvin Masseaux (chekere)。CDのボートラのみ、Ike Quebec (ts), Sonny Clark (p)。
ファンクネスだだ漏れのギタリスト、グラント・グリーンが「ラテン・ジャズ」にアプローチした企画盤である。パーソネルを見渡すと、パーカッション中心に「ラテン・ジャズ」系のメンバーが参加している。ドラムのウイリー・ボボと、コンガのパタート・バルデスが叩き出すリズム&ビートが、完全に「ラテン・ジャズ」している中で、グリーンは楽しそうに、唄うが如く、ラテン・ジャズなフレーズを弾きまくる。
聴いていて面白いのは、ラテン・ジャズ志向なジャズをやっている中で、グラント・グリーンのギターは、意外と相変わらず、パッキパキなシングル・トーンで、ファンキーなギターのままであること。ラテン・フレーズの中に、しっかりとブルージー&スウィンギーな要素を織り込んでいるところが、いかにも「ブレないグラント・グリーン」らしいです。
アフロ・キューバン・ジャズの名曲「Mambo Inn」のリラックスしたギターや、メキシコ発のラテンな名曲「Besame Mucho」やブラジル名曲「Aquarela Do Brasil」のカヴァーなど、楽しく寛いでスインギーなグリーンのギターがとても魅力的です。ラテンな衣装に身を包んでギターを抱えてポーズする楽しそうなグリーンのジャケットもなかなか良好。聴き心地の良い「ラテン・ジャズ」盤です。
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