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2022年3月14日 (月曜日)

マクリーン独特のモード&フリー

ジャキー・マクリーン(Jackie Mclean)は進化するジャズマンだった。1950年代前半にNYに出てきて、いきなり、マイルスらにいじられ、鍛えられ、ハードバップ時代を代表するアルト・サックス奏者の1人になった訳だが、マクリーンはハードバップに安住すること無く、コマーシャルに走ること無く、当時のジャズの先進的な演奏スタイルに敢然と挑戦していった。

Jackie Mclean『Let Freedom Ring』(写真左)。ブルーノートの4106番。1962年3月19日の録音。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Walter Davis, Jr. (p), Herbie Lewis (b), Billy Higgins (ds)。マクリーンのアルト・サックスがフロント1管の「ワン・ホーン・カルテット」。マクリーンのアルト・サックスのパフォーマンスが堪能出来る演奏編成。

前作『A Fickle Sonance』で、部分的に「少しフリーキーで自由度の高いモーダルな吹奏」にチャレンジしていたのだが、今回の『Let Freedom Ring』では、全面的に、時々フリーに、時々アブストラクトに傾きつつ、限りなく自由度の高いモーダルな演奏にチャレンジしている。マクリーンの吹奏には迷いが無く、確信に満ちた「フリー若しくはモーダル」な演奏は爽快である。
 

Let-freedom-ring

 
冒頭の「Melody for Melonae」を聴けば、それが良く判る。いきなり、アブストラクトにモーダルに力強くアルト・サックスを吹きまくるマクリーン。良く聴けば、コルトレーンのモード、オーネット・コールマンのフリーを上手く吸収して、マクリーンならではの「モード&フリー」な演奏を繰り広げている。

マクリーンの「モード&フリー」は、あくまで、軸足をハードバップに残しつつ、限りなく自由度の高い演奏を求めて「モード&フリー」な展開にチャレンジしている。この「軸足をハードバップに残しつつ」の部分が、マクリーン独特の感覚で、この『Let Freedom Ring』の4曲には、そのマクリーン独特の「モード&フリー」な演奏が詰まっていて、しかもそれが成功している。

バックのリズム隊、特に、ウォルター・ビショップJrのピアノの、マクリーン独特の「モード&フリー」な演奏に対する適応力にはちょっとビックリ。もともと能力に高いピアニストである。バックに回った時のサポートには、その能力の高さを再認識する。このリズム隊の健闘も含め、バンド全体が、マクリーン独特の「モード&フリー」な演奏に邁進している様は聴き応え十分である。
 
 

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