最強6重奏団のモード・ジャズ
Art Blakey and the Jazz Messengersは、その時代時代で、リーダーのブレイキー以外、メンバーを入れ替えているが、このセクステット(ブレイキー、ショーター、ハバード、フラー、ウォルトン、メリット)が意外と「最強」ではないか、と思うことがある。特に、このセクステットが奏でるモード・ジャズは味わい深いものが沢山ある。
Art Blakey and the Jazz Messengers『Buhaina's Delight』(写真左)。ブルーノートの4104番。1961年11月28日と12月18日の録音。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Freddie Hubbard (tp), Curtis Fuller (tb), Wayne Shorter (ts), Cedar Walton (p), Jymie Merritt (b)。前作の名盤『Mosaic』と同一のセクステット(6人)編成。
いかついブレイキーの横顔アップのジャケでちょっと損なイメージの盤だが、前作の名盤『Mosaic』と同じ、音楽監督ウェイン・ショーターの下、ショーターらしいモーダルなジャズがこれでもか、と展開されている。収録曲を見ると、ショーターが3曲、フラーとウィルトンがそれぞれ1曲ずつ、スタンダード曲は当時流行っていたと思われる、ヘンリー・マンシーニ作の有名曲「Moon River」のみ。
当時としては、Art Blakey and the Jazz Messengersが、1962年にリバーサイド・レーベルに移籍した後、1963年にブルーノートからリリースされた、当時としては「未発表音源」集なのだが、そんなイメージは全く無い。どこかのセッションからの未収録音源を寄せ集めているのでは無く、通常盤と同様、1961年11月28日と12月18日の2日間のセッションから収録しているのだから、新盤と捉えても良い、充実した内容である。
どこから聴いてもモーダルなジャズが楽しめる。メンバー全員がモードを理解し、前作『Mosaic』同様、実に優れた内容のモード・ジャズを展開している。特にフロント3管のユニゾン&ハーモニーはとても美しく録音されている。メンバーの自作曲は静的でブルージー。ファンキー・ジャズをぶっ放してたジャズ・メッセンジャースはもうここには無い。理知的で思索的なモード・ジャズがなかなか決まっている。
ラストの唯一のスタンダード曲「Moon River」のモーダルなアレンジがかなり「エグい」。原曲の美しさとムードを踏襲しつつ、きっちりモーダルなジャズに仕立て上げているジャズ・メッセンジャースの演奏力には感服する。疾走感溢れるタイトル曲「Bu's Delight」、印象的にメロディアスに展開する「Contemplation」など、聴きどころ満載。良いアルバムです。
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