ガッド・バンドの来日ライヴ盤
フュージョン・ジャズの話題を。フュージョン・ジャズにおける「ナンバーワン」ドラマーは、圧倒的に「Steve Gadd(スティーヴ・ガッド)」だと思うのだ。縦ノリのスインギーな8ビート・ドラミング。小気味の良い、印象的なオフビート。しなやかに伸びるリズム&ビート。
緩急自在、速いフレーズには手数の多い高速ドラミング、ゆったりとしたフレーズには間を活かしたシンプルなドラミング。縦ノリのスイング感は、一聴すれば、すぐに「Steve Gadd(スティーヴ・ガッド)」のドラミングだと判る。ガッドの叩く8ビートはスインギー。揺れるが如く、唄うが如くのドラミングはガッドが唯一無二。
Steve Gadd Band『At Blue Note Tokyo』(写真左)。2019年12月16〜18日、Blue Note Tokyoでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Steve Gadd (ds), Kevin Hays (key, vo), Jimmy Johnson (b), David Spinozza (g), Walt Fowler (tp, flh)。マイケル・ランドウ(Michael Landau)の代わりに、フュージョン・ギターのレジェンド、デヴィッド・スピノザを迎えたクインテット編成。他はガッド・バンドのレギュラー・メンバー。
実に渋いフュージョン・ジャズ。大向こうを張って疾走する訳でも無い。こってこてのファンクネスを振り撒いて、低音ベースを轟かせる訳でも無い。途方も無いテクニックを披露して熱くなる訳でも無い。余裕ある、ウォームで小粋でメリハリのあるフュージョン・ジャズが粛々と展開される。仰々しくなく真摯、聴けば聴くほど味わい深いフュージョン・ジャズ。
ギターのスピノザの参加が効いている。さすがに両者共に「フュージョン・ジャズの伝説」のミュージシャン。ガッドのドラミングをバックに弾きまくる、スピノザのグルーヴ感溢れるパフォーマンスは、フュージョン・ジャズ全盛期のアンサンブルを彷彿とさせる。そして、他のメンバーについては、レギュラー・メンバーであるが故、充実度もかなり高い。特に、ジミー・ジョンソンのベースのテクニックはなかなかに聴かせる。
しかし、やはりスティーヴ・ガッドのドラミングが一番、印象に残る。録音当時、ガッドは74歳。大向こうを張る、力強いドラミングはさすがに影を潜めたが、味のあるドラミングには更に磨きがかかって、包み込む様な余裕あるグルーヴ感は聴き応え満点。このライヴ盤の「余裕ある、ウォームで小粋でメリハリのあるフュージョン・ジャズ」は、このガッドのドラミングが創り出している。ガッドの往年のドラミングはまだまだ冴え渡っている。
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