レオ・パーカーの遺作になります
ブルーノート・レーベルは、ジャズのトレンド、演奏スタイルや演奏楽器の「おおよそ」を押さえているところが素晴らしい。ブルーノートと言えば、真面目で硬派なジャズばかりを押さえている「強面」の印象があるが、意外とポップな、例えば、R&B系のミュージシャンが奏でる、ソウルフルなジャズなども、しっかり記録している。
Leo Parker『Rollin' with Leo』(写真左)。1961年10月12 & 20日の録音。ブルーノートの4095番。ちなみにパーソネルは、Leo Parker (bs), Dave Burns (tp), Bill Swindell (ts), John Acea (p), Stan Conover (b, tracks 3 & 4), Al Lucas (b, tracks 1, 2 & 5-8), Wilbert Hogan (ds, tracks 1, 2 & 5-8), Purnell Rice (ds, tracks 3 & 4)。
さすが、R&B系のバリサク(バリトン・サックス)奏者のレオ・パーカーがリーダーのセッションなので、パーソネルを見渡しても知らない名前ばかりである(笑)。この盤は録音当時は、ブルーノートお得意の「謎のお蔵入り」(内容も良く、ジャケットやレコード番号まで決定されていたにも拘らず。何故かリリースされない)。1980年に、マイケル・カスクーナ の「発掘リリース」にて、目出度く、リリースされている。
レオ・パーカーは、当時の多くのジャズマンに見られた薬物依存、加えて、結核治療の為、1950年代は休眠状態だった。復帰後、直ぐにブルーノートから『Let Me Tell You 'Bout It』、そして、このアルバムと2枚、なかなかの内容のリーダー作を、立て続けに録音したが、このアルバムの4カ月後に帰らぬ人となってしまったのが、実に惜しいところ。
この盤も前作Leo Parker『Rollin' with Leo』と変わらず、こってこて「ファンキーでソウルフル」。バリサクって、重低音を担当する大型のサックスなので、速いフレーズが苦手でピッチが緩みがち。しかし、レオ・パーカーは、緩まず、意外と「バリサクとしては」速いフレーズをバリバリ吹きまくっている。R&Bなダンサフルなフレーズを散りばめて疾走する、心地良くアーシーでユルユルなバリサク。
バリサクの「重低音を鳴り響かせつつ、アーシーでユルユル」な音色が、意外とR&B系のソウルフルなジャズにバッチリ合う。速いフレーズが苦手な分、ユッタリと吹き上げるフレーズは実にスインギー。バリサクを愛でるアルバムとして、この『Rollin' with Leo』と前作『Let Me Tell You 'Bout It』はお勧めです。
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