ボブ・ジェームスの最新ライヴ盤
ボブ・ジェームス(Bob James)は、長年の僕の「フュージョン・ジャズ畑のアイドル」の1人。ボブ・ジェームスの音に出会って、かれこれ48年になる。初めて聴いた盤が『Bob James One』。彼の弾くエレピに惚れ惚れし、彼のアレンジに感じ入った。そして、演奏するミュージシャンは、フュージョンの一流どころ。そんなハイレベルな演奏にウットリである。
Bob James『Feel Like Making LIVE!』(写真左)。2022年2月のリリース。ちなみにパーソネルは、Bob James (p, key), Michael Palazzollo (b), Billy Kilson (ds)。ボブ・ジェームスによくある、ジャズの大編成の楽団を従えた豪華な演奏では無く、ボブ・ジェームスのトリオによる、シンプルなスタジオ・ライヴ録音になる。
ボブ・ジェームスのライヴ盤と言えば『All Around the Town』(1981年)なんだが、これがあんまし良い出来では無くて、人気絶頂だったボブ・ジェームスのライヴ音源を無理矢理リリースした感じで、ボブ・ジェームスのライヴ盤については、あまり良い思い出がない。今回、新たなライヴ盤が出る、というニュースを聞いても、あまり触手は伸びなかった。
が、ボブ・ジェームスは、長年の僕の「フュージョン・ジャズ畑のアイドル」の1人。やっぱり聴きたくなるのが人情ってもので、今回、じっくりと聴いてみた。冒頭の「Angela」は、懐かしいアルバム『Touchdown』に収録された名曲。シンプルにスムースに、ボブ・ジェームスのトリオは演奏を進めるが、ちょっと調子が出ないみたいで、昔のライヴ盤の悪しき思い出が胸をよぎる。
しかし、2曲目「Rocket Man」。エルトン・ジョン「ロケット・マン」のカヴァー。これが名演でアレンジ良好、シンプルで流麗なトリオ演奏で、エルトン・ジョンの名曲を朗々と弾き進めていく。この「ロケット・マン」から、ボブ・ジェームスのトリオも調子を出してきて、極上のフュージョン・トリオの演奏が繰り広げられていく。
選曲も充実していて、目立ったところでは、ジャズ・スタンダード曲から「Misty」「Nardis」が演奏されていて、これがまた味のある演奏。これらスタンダード曲をストレート・アヘッドな演奏では無く、あくまで、上質のフュージョン・アレンジで演奏するところが、フュージョン・ジャズの大御所、ボブ・ジェームスの面目躍如。
そして、ボブ・ジェームスの過去のアルバムの中から、懐かしいセルフ・カヴァーである「Nautilus」「Feel Like Making Love」(アルバム『One』収録)、「Night Crawler」(アルバム『Heads』収録)、「Westchester Lady」(アルバム『Three』収録)が演奏されていて、充実の演奏で、在りし日の懐かしさが甦る。
昔のライヴ盤の悪しき思い出を過去のものとした、内容の濃いスタジオ・ライヴ盤です。ボブ・ジェームスは今年83歳。しかし、この今回のライヴ盤からは、年齢から来る衰えは全く感じ無い。どころか、スムースな響きのする今様のフュージョン・ジャズを披露するところなどは、まだまだ現役バリバリである。脱帽である。
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