カーンのフュージョン・ファンク
Steve Khan(スティーヴ・カーン)のエレギが「お気に入り」。初めて聴いてから、かれこれ40余年、カーンのギターをずっと聴いてきた気がする。1947年4月生まれだから、聴き始めた時で、カーンは30歳過ぎ。今ではカーンは74歳。大ベテランの域を超えて、もはや、フュージョン・ギターのレジェンド級ギタリストである。]
カーンについては、不思議と我が国ではメジャーな存在では無い。知る人ぞ知る、フュージョン・ジャズにおいては、隠れ「エレギの名手」の様な扱い。知っている人はカーンに「ぞっこん」の場合が多く、知らない人はその名前すら聞いたことが無い、と言い放つ(当たり前かw)。
いわゆる「玄人好み」のギタリスト。米国では「グラミー賞」に時々ノミネートされるくらいメジャーな存在なのに不思議なことである。
Steve Khan『Arrows』(写真)。1979年の作品。ちなみにパーソネルは、Steve Khan (g), Randy Brecker (tp), David Sanborn (as), Michael Brecker (ts), Will Lee (b), Steve Gadd, Rick Marotta (ds), -Jeff Mironov (g), Don Grolnick, Rob Mounsey (key), Errol "Crusher" Bennett (per)。フュージョン畑の錚々たるメンバーが名を連ねる。
スティーヴ・カーンの単独名義リーダー作の第3作目。パーソネルは見わたせば、フュージョン畑の豪華すぎる面子に驚く。フロント管にブレッカー兄弟、ディヴィット・サンボーン。ドラムにスティーヴ・ガッド、ベースにウィル・リー、と、フュージョン・ジャズの中でも、R&B志向な、フュージョン・ファンクの音の要素が、そこはかとなく漂うところが「ミソ」。
カーンのギターは、心地良くスッと伸びたサスティーン、キャッチャーなフレーズ、癖の無いナチュラルな音、が個性なのだが、バックの音にファンクネスがしっかり漂っていて、アルバム全体の雰囲気は「ライトなフュージョン・ファンク」な感じに仕上がっている。この辺りが、米国でウケて、我が国ではウケない理由なのかもしれない。
でも、僕はこの「ライトなフュージョン・ファンク」な雰囲気がお気に入りで、この乾いたライトなファンクネスは、どちらかと言えば「日本人ジャズな志向」だと思うのだが、如何だろう。
演奏メンバーがメンバーだけに、かっちりとキメた、ハイ・テクニックで流麗な、極上なフュージョン・ジャズが展開されている。フュージョン・ジャズ盤として優秀な内容である。
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