« スティーヴ・カーンのアコギ。 | トップページ | T-Square『FLY! FLY! FLY!』 »

2022年1月17日 (月曜日)

The Remarkable Carmell Jones

ジャケットを見て「これは」と思う。そして、その盤の素姓をネットで調べて、気に入れば即ゲット。そうやって、今まで聴いたことの無い盤に出会い、その内容がクールだったり、小粋だったりすると、何だか幸せな気分になる。ジャズ盤の蒐集の醍醐味である。

Carmell Jones『The Remarkable Carmell Jones』(写真左)。1961年、Pacific Jazzからのリリース。ちなみにパーソネルは、Carmell Jones (tp), Harold Land (ts), Frank Strazzeri (p), Gary Peacock (b), Leon Pettis (ds)。パーソネルを見渡せば、米国西海岸ジャズの面子で占められている。カーメル・ジョーンズのトランペットとハロルド・ランドのテナーがフロント2管のクインテット編成。

実は、カーメル・ジョーンズについては、その名前しか知らなかった。じっくり聴いたことが無い。数年前、この盤に出会った時、まず思ったのが「何とイカしたジャケではないか」。そして、タイトルの「Remarkable(注目に値する)」が目を引いた。何か良さそうな盤やな〜、と思って、即ゲット。
 

The-remarkable-carmell-jones1

 
何とも端正でブリリアントな、そして、テクニックが確かなトランペットである。調べてみれば、アイドルは「クリフォード・ブラウン(ブラウニー)」。至極納得である。確かに、ブラウニーばりの美しいトーン、ちょっと線が細いのが気にはなるが、それを補ってあまりある、気負いの無い、素姓の良い端正なフレージングは新人離れしている。

2管フロントの相棒「ハロルド・ランド」のテナー・サックスも好調。"ブラウン&ローチ・クインテット時代よりも伸び伸び吹いているかもしれない。カーメル・ジョーンズのトランペットとの相性は良い。このフロント2管が充実しているので、このクインテット盤の内容はグッと締まったものにしている。良い雰囲気のハードバップ・ジャズだ。

雰囲気的には西海岸ジャズというよりは、東海岸ジャズに向いたトランペットだと思うのだが、調べて見たら、ホレス・シルヴァー(Horace Silver)の名作『Song for My Father』に参加している。そうか、あの印象的な、ちょっとファンキーで端正なトランペットは「カーメル・ジョーンズ」だったのか。ブルーノートの音に実にフィットしたトランペットだった。カーメル・ジョーンズ、東海岸で活動していたら、結構、人気トランペッターになっていたかも、とちょっと思った。
 
 
 
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
 
 ★ AORの風に吹かれて        
【New】 2021.08.11 更新。

  ・The Brothers Johnson『Light Up the Night』&『Winners』

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2021.08.11 更新。

  ・『ヘンリー8世と6人の妻』を聴く

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2021.08.11 更新。

  ・伝説の和製プログレ『四人囃子』

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から10年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

« スティーヴ・カーンのアコギ。 | トップページ | T-Square『FLY! FLY! FLY!』 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« スティーヴ・カーンのアコギ。 | トップページ | T-Square『FLY! FLY! FLY!』 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー