SUPER TAKANAKA LIVE 再び
高中正義の1970年代〜1980年代前半のリーダー作が、サブスク解禁されたみたいで、今一度、全てのアルバムを聴き直している。で、リアルタイムで一番聴いた、1970年代〜1980年代前半のリーダー作って何だったっけ、と思い立った。恐らく、一番聴いたのは学生時代。下宿で、古墳調査の車の中で、行きつけの喫茶店で、聴きまくった盤である。
高中正義『SUPER TAKANAKA LIVE』(写真左)。1980年3月のリリース。1979年12月23日〜24日に日本武道館にて行われた井上陽水とのジョイント・ライヴの模様を収録した盤である。「ジョイント・ライヴ」とは懐かしい響き(笑)。
ちなみにパーソネルは、高中正義 (g), 石川清澄, 小林“MIMI-CHAN”泉美 (key), 上原ユカリ, 井上“SHI-CHAN”茂 (ds), 高橋ゲタ夫 (el-b), 椎名和夫 (el-g), 土岐英史 (sax), 中島御, 菅原“SUGA-CHIN”裕紀 (perc)。当時の「高中バンド」のベスト・メンバーである。
選曲が『JOLLY JIVE』から4曲、LP時代のA面を占める。そして、LP時代のB面を占めるのは『SEYCHELLES』『BRASILIAN SKIES』『TAKANAKA』からそれぞれ1曲ずつ、サディスティック・ミカ・バンドのアルバム『黒船』から1曲である。LP1枚の収録時間上限、45分程度を考えると、当時のほぼベスト盤的な選曲で、この選曲がこのライヴ盤の一番の魅力。
ライヴ音源なので、当時の高中バンドのテクニックとパフォーマンスの凄さが良く判る。出だしの1曲目の「BLUE LAGOON」は、高中作の永遠のインスト名曲であるが、スタジオ録音より速いテンポで、疾走感溢れる弾きっぷりに思わず耳を奪われる。そして、2曲目「EXPLOSION」も高速フレーズが目玉の1曲で、爽快感溢れるノリで弾きまくり。
3曲目の「珊瑚礁の妖精」では、ワウワウなど、アナログなアタッチメントを駆使した、耽美的で幻想的なフレーズを披露する。これ、相当に高いテクニックで弾きまくってる。「TROPIC BIRD」「DISCO “B”」「READY TO FLY」は高中作のベストな楽曲で、聴いていてとにかく気持ちが良い。高中のギターが映えに映える。
そして、僕の個人的にこの盤の一番の目玉がラストの「黒船」。サディスティック・ミカ・バンドのアルバム『黒船』の6曲目(A面のラスト)の「黒船(嘉永六年六月四日)」で、3分弱の演奏だが、これが名曲中の名曲。聴いていて、気持ち良いこと、この上無し。
LP時代の音源で、トータルで45分弱しかないので、今の耳にはちょっと聴き足りない感じではある。が、内容的には充実した、当時の高中バンドのテクニックとパフォーマンスを手っ取り早く体感出来る、素晴らしいライヴ盤。今でも、気軽に聴くことが出来る、上質の「高中印のライヴ盤」である。
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