ピーターソンの未発表ライヴ音源 『Live In Helsinki 1987』
オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)は、ジャズ・ピアニストのレジェンド中のレジェンド。今から14年前、2007年12月に逝去しているので、ジャズ者の間でも忘れ去られた存在になりつつあるのが残念なんだが、ピーターソンは、ジャズ・ピアニストの中でも最高のテクニシャン。ドライブ感溢れ、スイングしまくり、バリバリ弾くピアノには圧倒される。
それでいて歌心もしっかり備えているので、とにかく聴き応えのあるピアニストであった。奏法の基本はハードバップ。しかも「聴かせるピアノ」が身上。自らのアドリブの幅を拡げる「モード」や「フリー」には一切、手を染めず、コマーシャルな「ファンキー」や「ソウル」にも手を出さない、あくまで硬派なバップ・ピアノのスタイルを変えなかった。
『Time For Love : The Oscar Peterson Quartet - Live In Helsinki 1987』(写真左)。1987年、フィンランドのヘルシンキでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Oscar Peterson (p), Joe Pass (g), Dave Young (b), Martin Drew (ds)。リーダーのピアニスト、オスカー・ピーターソンは62歳。大ベテランの域に入ったバーチュオーゾなピアノをメインに、これまた大ベテランのギタリスト、ジョー・パスをゲストに迎えたカルテット編成。
こんなライヴ音源が残っていたとは。1987 年秋ヨーロッパ・ツアー最終公演ヘルシンキ、クルトゥリタロで行ったライヴ音源。音も良く、ピーターソンの「ドライブ感溢れ、スイングしまくり、バリバリ弾く」ピアノが鮮度良く捉えられていて良い感じだ。パスのギター、ヤングのベース、ドリューのドラムも躍動感溢れるもので、とても良いライヴ盤である。
緻密で華麗なテクニック、そして目の覚めるようなスウィング感を伴って、「Waltz For Debby」や「When You Wish Upon A Star」等の、ポップなスタンダードの名曲を演奏しているピーターソンが耳新しい。以前では想像出来なかったですね〜。そして、「Love Ballade」「 Cakewalk」等のオリジナル曲については、流麗な弾き回しに、更に磨きがかかって、聴き応え抜群。
1987年の録音、しかも北欧のヘルシンキでのライヴなので、「昔の名前で出ています」的な、ちょっと懐メロ的になっていないか、聴く前は心配だったが、どうして、新しいイメージのピーターソンがバリバリに弾きまくっている。1960〜70年代の弾きっぷりよりも、しっかりとした余裕が感じられて、ピーターソンも良い歳の取り方をしていたんだなあ、と感心した。ほんと、良いライヴ盤です。
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