« ユニークな英国のジャズロック | トップページ | 冬のボサ・ノヴァ・ジャズ・3 »

2021年12月15日 (水曜日)

冬のボサ・ノヴァ・ジャズ・2 『I Haven't Got Anything Better To Do』

12月に入って、グッと寒くなった。それでも時々、暖かい日があったりで、気温の乱高下が辛い。昨日の様に、冷たい寒い雨の日は、暖かい部屋の中に籠もって、ジャズ盤を聴くことが多くなる。そんな時、シビアで硬派な純ジャズをガンガン聴くのも良いが、ライトでスムースなフュージョンや、ホンワカ柔らかなボサ・ノヴァ・ジャズを聴くのも「乙なもの」である。

Astrud Gilberto『I Haven't Got Anything Better To Do』(写真左)。1969年2月3, 4日の録音。ストリングス入りのジャズ・オーケストラをバックに、ボサ・ノヴァ・ジャズの歌姫、アストラッド・ジルベルトがウォームに唄い上げる佳作。ボサ・ノヴァ・ジャズでありながら、真冬に録音されているからか、ライナーノーツでは、アストラッド・ジルベルトはこのアルバムを「暖炉のアルバム」と呼んでいるそうだ。

1960年代後半、ヴァーヴ・レコードお得意の「イージーリスニング・ジャズ」の一環となる盤。しっかりとアレンジされたジャズ・オーケストラにストリングスが入って、なかなかに洒落て優美なサウンドをバックに、アストラッド・ジルベルトのウィスパー・ヴォイスがバッチリ填まった好盤。
 

I-havent-got-anything-better-to-do_1

 
基本はバラード曲中心、時々、ノリの良いギター&パーカッションを交えた楽曲や、ロマンチックなスィートなボサ・ノヴァ・ジャズがアクセント良く挿入されている。バラード曲中心なので、ちょっと不安定な感じのする、アストラッド・ジルベルトの「ウィスパー・ヴォイス」で大丈夫なのか、上手く唄い上げられるのか、と心配になるが、意外と杞憂に終わっている。

バックのストリングス入りのジャズ・オーケストラのアレンジが良好で、アストラッド・ジルベルトの「ウィスパー・ヴォイス」を上手く支えている。不思議と説得力のあるヴォーカルに仕上がっていて、聴いていて、何だかほのぼの、ほんわか、適度にリラックス出来る。ボサ・ノヴァ系のボーカルの不思議である。

夏のボサ・ノヴァ系のボーカルは「爽やかで軽快」。夏はボサ・ノヴァが良く似合うというが、ボサ・ノヴァは意外と冬にも似合うところがあって、冬のボサ・ノヴァ系のボーカルは「ウォームで軽快」。ボサ・ノヴァのボーカルって、ほのぼのとした「暖かみ」を感じる。この盤のライナーノーツでジルベルトが形容した「暖炉のアルバム」って、この盤を聴けば、何となくその雰囲気が良く判る。
 
 
 
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
 
 ★ AORの風に吹かれて        
【New】 2021.08.11 更新。

  ・The Brothers Johnson『Light Up the Night』&『Winners』

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2021.08.11 更新。

  ・『ヘンリー8世と6人の妻』を聴く

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2021.08.11 更新。

  ・伝説の和製プログレ『四人囃子』

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から10年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

« ユニークな英国のジャズロック | トップページ | 冬のボサ・ノヴァ・ジャズ・3 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ユニークな英国のジャズロック | トップページ | 冬のボサ・ノヴァ・ジャズ・3 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー