冬のボサ・ノヴァ・ジャズ・1
夏はボサ・ノヴァ・ジャズ、と言うが、冬のボサ・ノヴァ・ジャズも「乙なもの」である。冬になると、余りの寒さに表に外出すること無く、家の中で一日を’過ごす日が時々出てくる。部屋の中はエアコン暖房と加湿器で快適な環境。思わず、気持ちはホンワカして、ちょっと微睡む瞬間がある。そんな時、BGMとしてかけるジャズは「ボサ・ノヴァ・ジャズ」が良い。
『The Look of Love and the Sounds of Laurindo Almeida』(写真左)。1968年の作品。ギターを弾くのは、ボサ・ノヴァの先駆者ローリンド・アルメイダ。アルメイダのボサ・ノヴァ・ギターが心地良い響きで、ほのぼのリラックス。ストリングスを交えて、小粋なアレンジを施した「イージーリスニング・ジャズ」である。
アルメイダの小気味良い、切れ味の良いギターのフレーズに、ボサ・ノヴァのリズム&ビートが良く似合う。演奏全体の雰囲気は、軽音楽風のボサ・ノヴァ・ジャズ。ポップで俗っぽさに流れると思いきや、アルメイダのギターが硬派で凛としていて、イージーリスニングの様な俗っぽさは無い。
バカラックなどのポップス・カヴァーがメインだが、ジャズ・スタンダードでもある「Angel Eyes」「The Look Of Love」「Alfie」「When I Look In Your Eyes」など、優れたアレンジと相まって、アルメイダのボサ・ノヴァ・ギター独特の躍動感溢れる、切れ味の良いカッティングとピッキングで、引き締まった内容の、聴き応えの良い演奏に仕上がっている。
アレンジについては、Clare Fischerが3曲、Dick Groveが1曲、Lex De Azevedoが7曲を分担して担当しており、どのアレンジもなかなかの内容で、アレンジの雰囲気も統一感があって良い。1960年代後半のストリングス入りのアレンジなので、ちょっとチープな、俗っぽいものだと嫌やなあ、と思っていたが、このアレンジはなかなか良い。聴いていて違和感は無い。
スピーカーに向かって、前のめりに聴き込む様な純ジャズとは全く正反対の、心地良い響きで、ほのぼのリラックスして、ホンワカ聴き流す様なイージーリスニングなボサ・ノヴァ・ジャズだが、これはこれで、たまには良い。テクニックは確か、内容充実のアルメイダのボサ・ノヴァ・ギターならではの聴き応えである。
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