« ジャズ喫茶で流したい・224 | トップページ | ユニークな英国のジャズロック »

2021年12月13日 (月曜日)

冬のボサ・ノヴァ・ジャズ・1

夏はボサ・ノヴァ・ジャズ、と言うが、冬のボサ・ノヴァ・ジャズも「乙なもの」である。冬になると、余りの寒さに表に外出すること無く、家の中で一日を’過ごす日が時々出てくる。部屋の中はエアコン暖房と加湿器で快適な環境。思わず、気持ちはホンワカして、ちょっと微睡む瞬間がある。そんな時、BGMとしてかけるジャズは「ボサ・ノヴァ・ジャズ」が良い。

『The Look of Love and the Sounds of Laurindo Almeida』(写真左)。1968年の作品。ギターを弾くのは、ボサ・ノヴァの先駆者ローリンド・アルメイダ。アルメイダのボサ・ノヴァ・ギターが心地良い響きで、ほのぼのリラックス。ストリングスを交えて、小粋なアレンジを施した「イージーリスニング・ジャズ」である。

アルメイダの小気味良い、切れ味の良いギターのフレーズに、ボサ・ノヴァのリズム&ビートが良く似合う。演奏全体の雰囲気は、軽音楽風のボサ・ノヴァ・ジャズ。ポップで俗っぽさに流れると思いきや、アルメイダのギターが硬派で凛としていて、イージーリスニングの様な俗っぽさは無い。
 

The-look-of-love

 
バカラックなどのポップス・カヴァーがメインだが、ジャズ・スタンダードでもある「Angel Eyes」「The Look Of Love」「Alfie」「When I Look In Your Eyes」など、優れたアレンジと相まって、アルメイダのボサ・ノヴァ・ギター独特の躍動感溢れる、切れ味の良いカッティングとピッキングで、引き締まった内容の、聴き応えの良い演奏に仕上がっている。

アレンジについては、Clare Fischerが3曲、Dick Groveが1曲、Lex De Azevedoが7曲を分担して担当しており、どのアレンジもなかなかの内容で、アレンジの雰囲気も統一感があって良い。1960年代後半のストリングス入りのアレンジなので、ちょっとチープな、俗っぽいものだと嫌やなあ、と思っていたが、このアレンジはなかなか良い。聴いていて違和感は無い。

スピーカーに向かって、前のめりに聴き込む様な純ジャズとは全く正反対の、心地良い響きで、ほのぼのリラックスして、ホンワカ聴き流す様なイージーリスニングなボサ・ノヴァ・ジャズだが、これはこれで、たまには良い。テクニックは確か、内容充実のアルメイダのボサ・ノヴァ・ギターならではの聴き応えである。
 
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
 
 ★ AORの風に吹かれて        
【New】 2021.08.11 更新。

  ・The Brothers Johnson『Light Up the Night』&『Winners』

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2021.08.11 更新。

  ・『ヘンリー8世と6人の妻』を聴く

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2021.08.11 更新。

  ・伝説の和製プログレ『四人囃子』

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から10年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

« ジャズ喫茶で流したい・224 | トップページ | ユニークな英国のジャズロック »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ジャズ喫茶で流したい・224 | トップページ | ユニークな英国のジャズロック »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー