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2021年11月14日 (日曜日)

デックスのブルーノート第2弾 『Dexter Calling...』

ジャズ盤って、実年齢やジャズ鑑賞の経験年数によって、志向がどんどん変わってくる様に感じる。これって僕だけなのかなあ。年齢を重ねることによって、ジャズの演奏スタイルに対する許容量が増え、ジャズ鑑賞の経験年数が増えるに従って、古いスタイルのスイングやビ・バップも「イケる」様になった。

僕がジャズを聴き始めた頃は、フュージョン・ジャズの大ブーム真っ只中。もともと、プログレッシヴ・ロックや米国西海岸ロックを聴いていただけに、アコ楽器のみの旧来の純ジャズはちょっと苦手。アコ楽器のみの純ジャズであれば、モード・ジャズは良いが、1950年代の古いタイプのハードバップはちょっと苦手だったなあ。

Dexter Gordon『Dexter Calling...』(写真)。1961年5月9日の録音。ちなみにパーソネルは、Dexter Gordon (ts), Kenny Drew (p), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds)。テナー・サックスのレジェンド、デクスター・ゴードン(愛称:デックス)がフロント1管の「ワン・ホーン・カルテット」。ピアノに漆黒のファンキー・ピアノのドリュー、リズム隊にポルチェンとフィリージョー。
 

Dexter-calling

 
ジャズを聴き始めた頃、デックスの大らかで、ちょっと茫洋とした、スケールの大きいテナーが苦手だった。掴みどころが無いというか、何か普通のあまり先進的で無い「古いテナー」を聴いているいう感じが、どうにも「イケない」。デックスのテナーが味わい深く、滋味溢れる、味のあるテナーとして聴ける様になったのは、40歳を過ぎてからである。

この『Dexter Calling...』は、デックスのブルーノート第2弾。気合いが入っていて、収録曲の半分が自作曲。まず、この自作曲におけるデックスの吹きっぷりが堂々としていて立派。聴き応え満点のテナー。そして、スタンダード曲に対する解釈とアレンジが抜群で、デックスの「大らかで誠実でどこか哀愁感漂う」テナーの個性が前面に押し出てくる様は、思わずじっくり聴き入ってしまう。

1961年から1964年までのブルーノートのデックスの諸作については、RVG紙ジャケのリイシュー時に一気に聴き直して、デックスのテナーがお気に入りになった。大らかで、ちょっと茫洋とした、スケールの大きいテナーが、味のある、小粋で、ダンディズム溢れるテナーであることに気が付いて、それから、デックスのリーダー作を、折につけて漁るように聴き続けている。
 
 
 
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