デックスのブルーノート第2弾 『Dexter Calling...』
ジャズ盤って、実年齢やジャズ鑑賞の経験年数によって、志向がどんどん変わってくる様に感じる。これって僕だけなのかなあ。年齢を重ねることによって、ジャズの演奏スタイルに対する許容量が増え、ジャズ鑑賞の経験年数が増えるに従って、古いスタイルのスイングやビ・バップも「イケる」様になった。
僕がジャズを聴き始めた頃は、フュージョン・ジャズの大ブーム真っ只中。もともと、プログレッシヴ・ロックや米国西海岸ロックを聴いていただけに、アコ楽器のみの旧来の純ジャズはちょっと苦手。アコ楽器のみの純ジャズであれば、モード・ジャズは良いが、1950年代の古いタイプのハードバップはちょっと苦手だったなあ。
Dexter Gordon『Dexter Calling...』(写真)。1961年5月9日の録音。ちなみにパーソネルは、Dexter Gordon (ts), Kenny Drew (p), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds)。テナー・サックスのレジェンド、デクスター・ゴードン(愛称:デックス)がフロント1管の「ワン・ホーン・カルテット」。ピアノに漆黒のファンキー・ピアノのドリュー、リズム隊にポルチェンとフィリージョー。
ジャズを聴き始めた頃、デックスの大らかで、ちょっと茫洋とした、スケールの大きいテナーが苦手だった。掴みどころが無いというか、何か普通のあまり先進的で無い「古いテナー」を聴いているいう感じが、どうにも「イケない」。デックスのテナーが味わい深く、滋味溢れる、味のあるテナーとして聴ける様になったのは、40歳を過ぎてからである。
この『Dexter Calling...』は、デックスのブルーノート第2弾。気合いが入っていて、収録曲の半分が自作曲。まず、この自作曲におけるデックスの吹きっぷりが堂々としていて立派。聴き応え満点のテナー。そして、スタンダード曲に対する解釈とアレンジが抜群で、デックスの「大らかで誠実でどこか哀愁感漂う」テナーの個性が前面に押し出てくる様は、思わずじっくり聴き入ってしまう。
1961年から1964年までのブルーノートのデックスの諸作については、RVG紙ジャケのリイシュー時に一気に聴き直して、デックスのテナーがお気に入りになった。大らかで、ちょっと茫洋とした、スケールの大きいテナーが、味のある、小粋で、ダンディズム溢れるテナーであることに気が付いて、それから、デックスのリーダー作を、折につけて漁るように聴き続けている。
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
★ AORの風に吹かれて 【New】 2021.08.11 更新。
・The Brothers Johnson『Light Up the Night』&『Winners』
★ まだまだロックキッズ 【New】 2021.08.11 更新。
★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2021.08.11 更新。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
東日本大震災から10年8ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
« ラージのブルーノート・デビュー盤 | トップページ | グリーンのギターに惚れ惚れ »
コメント