シルヴァー5の代表的名ライヴ盤
ホレス・シルヴァー(Horace Silver)のファンキーなピアノが好きだ。学生時代にシルヴァーの『Horace Silver and the Jazz Messengers』を大学近くの「秘密の喫茶店」で聴かせて貰って、即、お気に入りのピアニストになった。特に「The Preacher」のファンクネスにはゾッコンである。この曲が好きになって、自分はファンクネス濃厚なジャズがお気に入りなんだ、と認識した。
Horace Silver『Doin' the Thing : The Horace Silver Quintet at The Village Gate』。1961年5月19,20日、NYの「The Village Gate」でのライヴ録音。ブルーノートの4076番。ちなみにパーソネルは、Horace Silver (p), Blue Mitchell (tp), Junior Cook (ts), Gene Taylor (b), Roy Brooks (ds)。ホレス・シルヴァー・クインテットの最盛期のライヴ録音である。
このライヴ音源でのホレス・シルヴァーのファンキー・ピアノは凄い。左手のブロック・コードはどこまでもジャジーでファンキーな響きを醸し出す。右手は適度なテンションを張りながら、切れ味の良い素晴らしい指捌きで、ファンキーなフレーズをバシッと決めていく。緩んだ所は全く無く、アドリブ・フレーズが破綻することは全く無い。確かにこのライブ盤でのシルヴァーのピアノは鬼気迫る様な迫力で耳に迫ってくる。
フロント2管は、ミッチェルのトランペットとクックのテナー・サックス。これがまた素晴らしいアドリブ・フレーズを吹き上げる。フロント2管のユニゾン&ハーモニーは、どっぷりファンキーで、とことんジャジー。その運指は流麗で淀みが無い。このライブ盤では、このミッチェル=クックの2管フロントのベスト・パフォーマンスを聴くことが出来る。それほどまでに素晴らしいフロント2管のブロウである。
そして、改めて感心するのが、ホレス・シルヴァー率いる、テイラー+ブルックスのリズム・セクション。シルヴァーの醸し出すファンクネスを増幅する様な、躍動感溢れるオフビートでファンキーな、煽る様なリズム&ビートが凄い。意外と指摘されていないのだが、この時代のシルヴァー・クインテットのリズム・セクションのファンキー度合いは相当に高い。このリズム・セクションがあるからこそ、この時代のシルヴァー・クインテットは限りなくファンキーなのだ。
録音も秀逸でライブ感濃厚。シルヴァー・クインテットの演奏の迫力がビンビンに伝わってくる。演奏がウケにウケた観客の熱気が伝わってくる。こういうライブ音源をしっかり残しているのは、さすがブルーノートと言える。ジャケット・デザインも秀逸。シルヴァーのアップ写真のポジショニングも良い感じで、特にタイポグラフィーは芸術的。シルヴァー・クインテットの代表的名盤である。
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