ラウンジ感覚溢れるボーカル新盤
一気に晩秋の気候になった今年の秋。酷暑の夏には、あまりの暑さで聴く気が起き難かったフリー・ジャズ、そして、ボーカルものについて、やっと聴く意欲が再び湧いてきた。コロナ禍で差し控えられていた新盤の録音も復活の兆しが出てきて、ここ2〜3ヶ月を見てみると、なかなか内容のある新盤がリリースされている。
Jane Monheit『Come What May』(写真左)。2021年4月のリリース。ちなみにパーソネルは、Jane Monheit (vo), Michael Kanan (p), Rick Montalbano (ds), David Robaire (b), Kevin Winard (perc), Miles Okazaki (g)。アメリカの人気女性歌手である、ジェーン・モンハイト(1977年 米国ニューヨーク州オークデール生まれ) の新盤になる。
ジェーン・モンハイトの名前は何となく知っていた。2016年のアルバム『Songbook Sessions : Ella Fitzgerald』を聴いて、激太りと「エラのトリビュート盤」という企画に対する工夫した歌唱が原因だった様だが、ネットリとした旧来のヴォーカル風な歌唱に、ちょっと「引いた」。ちょっと苦手かな、という印象の中、この新盤を恐る恐る聴いてみた。
ジャケ写を見ると、容姿も比較的痩せた様で、健康的な姿に戻っていたように感じる。これは期待出来るかな、と思って聴いたら、元々のスマートでスタイリッシュな、溌剌とした歌声に戻っていて安堵した。マイケル・ケイナンのピアノを核にした小コンボ伴奏をベースに、曲によってはストリング・オーケストラも加わった正統派で軽快で爽やかな印象のボーカル盤に仕上がっている。
しなやかな張りと伸びのある、よく通るトーン高めのボーカルが良い感じ。全曲スタンダードで選曲も良いので、聴いていて、適度に楽しめる内容になっている。小規模なライブハウスで唄っているようなラウンジ感覚漂う録音が、これまた良い雰囲気を醸し出していて、モンハイトのハートウォームな爽やかで張りのある歌唱が小粋に響く。
こういう現代風の明朗で爽やかなジャズ・ボーカルで「The Nearness of You」や「My Funny Valentine」「Lush Life」などの大スタンダード曲を唄うと、新鮮な雰囲気の中、新しいジャズ・ボーカルを聴いているような気分になるから不思議だ。そして、バックバンドが醸し出すラウンジ感覚が親しみ易さを付加していて良好。良い女性ボーカル盤です。
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