WRトリビュートのアルバムです
昔、ウエザー・リポート(以降、WRと略)の『ヘビー・ウエザー』を聴いて、これが最新のジャズなのかと、とてつもなく驚いたのが、1978年の5月の終わりだった。それから、『ブラック・マーケット』『幻祭夜話』とアルバムを遡りつつ、リリースされる新作を発売日と同時にゲットするという、WRにぞっこんの状態に陥った。あれから、43年が経過して、未だにWRは僕のお気に入りバンドとして君臨している。
『Celebrating The Music Of Weather Report』(写真)。2000年の作品。WRトリビュートのアルバム。マイルス・デイヴィスの『TUTU』『Amandla』への参加やトップ・アーティストの作品でファースト・コール・シンセイストとして活躍。またコンポーザー、アレンジャー、プロデューサーとしてもその才能を発揮している、ジェイソン・マイルスがプロデュース&アレンジを担当。このジェイソン・マイルスが中心となってサウンドを作っている。
ちなみにパーソネルは、曲毎に、メンバーはぼぼ全面的に曲毎に入れ替えしているので、結構の大人数になる。独断でピックアップすると、Jason Miles (key,arr,produce), Victor Bailey, Marcus Miller (b), Jay Beckenstein (ss), Michael Brecker (ts), David Sanborn (as), Randy Brecker (tp), Dean Brown, Chuck Loeb (g), Dennis Chambers, Steve Gadd, Vinnie Colaita, Omar Hakim (ds), John Pattitucci, Wil Lee (b), Tom Schuman (key), Aandy Narrell (p) etc.
WRのカヴァー集だが、WRの演奏を完コピしている訳では無い。それぞれの曲をそれぞれのメンバーで、しっかり解釈し、しっかりアレンジを自分のものとし、それぞれの「即興演奏の個性と技」を駆使して、WRの楽曲に新しい息吹を与えている。特に、WRオリジナルの完璧なアレンジに対して、新しい解釈を乗せた新しいアレンジを施しているところが凄い。しかも、それがおおよそ成功しているのだから立派だ。
しかし、WRの楽曲って、ほんと良い曲が多い。しかも緻密な難曲が多い。当然、高度な演奏技術を要求されるが故、気楽にカヴァーされる楽曲では無い。この盤に収録されている曲はとにかく「名曲中の名曲」だろう。加えて難曲揃い。それをフュージョン・ジャズ畑の名うての名手達が、ガンガンに演奏しまくるのだから圧巻である。「捨て演奏」無し。どの曲も素晴らしく個性的なカヴァーである。
いや〜素晴らしいWRトリビュート盤ですね。このトリビュート盤を聴いていて、今の耳でWRの全アルバムを聴き直して、感想をまとめてみたくなりました。きっと昔とは違った聴き方が出来るのでは、と期待しています。よし、WRの全アルバムの聴き直しを始めよう。高ご期待、である。
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