Full Moonってバンド知ってる?
10月に入って、さすがに朝夜は涼しくなった。涼しくなると聴き始めるのが「クロスオーバー&フュージョン・ジャズ盤」。何故だか判らないが、恐らく、フュージョン・ジャズ独特の「ハイテクニックでポップでキャッチャーな」音世界が、真夏の蒸し暑い酷暑の中で聴くにはハード過ぎるのだろう。汗をギトギト流しながら音楽を聴く、なんて、全くスマートやないよね。
ということで、今日、選んだアルバムは『Full Moon』(写真)。1972年のリリース。「Full Moon」とは、1970年、NYにて結成された5人組の「クロスオーバー・ジャズ」なバンドである。ジャズ、ロック、ソウル、R&Bな音楽要素がごった煮に融合された、良い意味で「摩訶不思議な音世界」を現出している。1972年のリリースだが、クロスオーバー・ジャズの後に来る「フュージョン・ジャズ」の先駆け的内容でもある。
Paul Butterfield Blues Band に在籍した、Fred Beckmeier (b), Buzz Feiten (g), Brother Gene Dinwiddie (sax) に、キーボード担当のスタジオ・ミュージシャンとして活躍していた Neil Larsen (key) とセッション・ドラマーの Phillip Wilson (ds) が加わった5人組。
いずれのメンバーも担当楽器に関して専門性が高く、とにかくハイテクニック。出てくる音は相当にハイベルな演奏である。このハイレベルな演奏が1972年に実現されていたなんて、今でもビックリ。この5人のメンバーによる「Full Moon」は俗に「オリジナル Full Moon」と呼ばれていて、本作はその唯一のアルバムになる。
本作の収録曲は7曲。インスト曲が2曲、3曲目「Malibu」と 5曲目「Midnight Pass」。このインスト曲はクロスオーバー・ジャズ志向で、ハイテクニック、そして、ジャズとロックの融合の色合いが濃い。5人が5人ともに、テクニックの粋を尽くし、構築美溢れるインストを展開する。リズム&ビートの扱いが複雑かつジャジーなので、このインスト曲は「ロック」では無い。あくまで、クロスオーバー・ジャズの範疇の魅力ある演奏と言って良い。
残りはヴォーカル曲という構成であるが、このヴォーカル曲が住み置けなくて、ブルースやロックをベースにしながら、ジャズやソウル、ポップといった要素を取り入れており、後のフュージョン・ジャズの先駆け的演奏と評価して良い。ソフト&メロウな要素が少なく、まだまだ発展途上のパフォーマンスではあるが、ソウルフルでR&Bな演奏とボーカルは雰囲気があって良い。
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