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2021年7月19日 (月曜日)

パウエル派ピアノの現代深化型

長年、ジャズを聴いていて思うのだが、21世紀に入っても、ジャズは深化しているのだと。本場米国のみならず、欧州各国、南半球の国々においても、ジャズ盤は販売され、ジャズは演奏され続けている。新しい有望、有能なジャズマンも一定数、必ず頭角を現し、一流ジャズマンへの成長している。決して、ジャズは死んでいないし、停滞してもいない。

ジャズ盤鑑賞についても、過去の名盤、好盤の類ばかりを聴いていては、そのジャズの「深化」を感じ取る事が出来ない。それこそ、ジャズをクラシック音楽化させ、過去の音楽としてしまうので、新しくリリースされてくる新盤や、新しくデビューしてくる新人についても情報を得て、該当するアルバムを出来るだけ聴くことにしている。

Rob Schneiderman『Edgewise』(写真左)。2000年の録音。パーソネルは、Rob Schneiderman (p) Ray Drummond (b) Winard Harper (ds)。ロブ・シュナイダーマンがリーダーのピアノ・トリオ。ちなみに僕は、この盤をネットの紹介記事で見るまで、ロブ・シュナイダーマンの名前を知らなかった。

ロブ・シュナイダーマンは、米国マサチューセッツ州ボストン出身で、現在は、NY市立大学リーマンカレッジで数学の准教授を務める異色のジャズ・ピアニスト。1957年生まれなので今年64歳。
 

Edgewise

 
キャリアとしては、純ジャズ系のピアニストだった様だが、20歳台の頃はフュージョン・ジャズ全盛期、全く目立たなかったのだと思う。今までに10枚ほどのリーダー作をリリースしているベテラン・ピアニストである。

収録された曲名を見れば感じる、この盤は「バド・パウエル」を扱ったトリビュート盤。パウエルの様に、バリバリ弾きまくる訳ではないが基本的には多弁。スインギーで明確なクッキリとしたタッチ。変にモーダルにクールに展開せず、それでいて古さを感じない弾き回しは、今までにありそうで「無い」。

タッチは明快、ゆったりとしたバップ風に弾き回すピアノは聴き心地がとても良い。パウエル派ピアノの現代版というか、パウエル派ピアノの現代深化型と形容しても良いかと思う。ほんのり、新しい響きが漂うジャズ・ピアノである。

このシュナイダーマンって、日本では知名度が今ひとつ。それは「Reservoir」 という日本のレコード会社と提携関係の無いレーベルのみに吹き込みを行っているのが、主な理由かと。しかし、この盤を聴いて判る様に、実力は相当なものでもっとメジャーになって当然の逸材だと思います。

この『Edgewise』という盤、「小粋なジャズ盤」として、我がヴァーチャル音楽喫茶『松和』でちょくちょくかかる盤でもあります。
 
 
 
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Matsuwa_billboard

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Never_giveup_4 


 
 

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