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2021年6月 6日 (日曜日)

充実の現代のオルガン・ジャズ

最近、内容の良いオルガン・ジャズ盤に出会うことが多い。オルガン・ジャズは大のお気に入りで、特にハモンド・オルガンのジャジーでファンキーな音は堪らない。ただ、オルガン・ジャズの担い手がピアノほど多くは無いので、幾人かのオルガン奏者に好みが偏ってしまうのが難点。ただ、21世紀になって、次世代を担うオルガン奏者も出てきたから頼もしい。

Cory Weeds『O Sole Mio!』(写真左)。2019年10月6, 12日カナダのバンクーバーでの録音。ちなみにパーソネルは、Cory Weeds (as), Eric Alexander (ts), Peter Bernstein (g), Mike LeDonne (org), Joe Farnsworth (ds)。Cellar Live レーベルからのリリース。この盤は、このCellar Live レーベルのオーナーで、カナダ・ジャズ界を代表する人気サックス奏者でもあるコリー・ウィーズ(写真右)のリーダー作。

収録曲を眺めれば判るが、この盤はリーダーのコリー・ウィーズ自身のルーツでもあるイタリアのポピュラー音楽を題材にした企画盤である。バックのリズム・セクションが、バーンスタインのギター、マイク・ルドーンのオルガン、ファンズワースのドラムの「NYの人気オルガン・トリオ」。フロントは、ウィーズのアルト・サックス、アレキサンダーのテナー・サックスの2管。編成としてはクインテットになる。
 

O-sole-mio
 

リーダーの担当楽器はアルト・サックスなんだが、全編、ルドーンのオルガンが大活躍。オルガン・ジャズ盤として鑑賞するほうがシックリくる。ダウン・トゥ・アースな、かつ、軽快なファンクネスとポジティヴな歌心溢れるオルガンがとても素敵。イタリアのポピュラー音楽の持つ馴染み易い旋律と相まって、ご機嫌なオルガン・パフォーマンスが実に楽しい。

そこに切れの良いウィーズのアルト・サックス、重厚かつ悠然とスインギーなアレキサンダーのテナー・サックスが絡んで、ネオ・ハードバップど真ん中な「オルガン・ジャズ」が展開されている。隠し味の様に、ピリリと好フレーズを連発するバーンスタインのギターも良い感じ。ファンズワースのドラミングが演奏全体のリズム&ビートをビシッと締める。小難しいところや捻れたところは一切無い、聴き易く、聴いて楽しいポップなネオ・ハードバップな演奏がとにかくハッピー。

タイトルがイタリアの超有名なカンツォーネ曲「オー・ソレ・ミオ」なので、俗っぽいイタリアのポピュラー音楽のカヴァーかと一見思いますが「とんでもない」。内容充実の現代のネオ・ハードバップなオルガン・ジャズ盤です。ジャズ・オルガンのファンには是非お勧めです。
 
 
 

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