新しくポップなビッグバンド
もうこのベーシストも今年で49歳。中堅ジャズマンである。初デビュー盤『Gettin' to It(邦題:ファースト・ベース)』が1994年の録音。弱冠22歳での初リーダー作だったのだが、この時のこの人のベースにはほとほと参った。伝統的なベースだが、テクニックは抜群。特にソリッドに弾ける様な大音量の重低音は、そのテクニックがかなり高度なものだということを教えてくれる。
そのベーシストとは「クリスチャン・マクブライド(Christian McBride)」。若き頃は「ファースト・コール・ベーシスト」。歳がいって、落ち着いて、今では、バンドやビッグバンドを主宰するその手腕、純ジャズに留まらずフュージョンやヒップホップなどボーダーレスな音の取り込みなど、プロデュース能力をバリバリに発揮する「伝統的な優秀テクニックなベーシスト」。
Christian McBride Big Band『For Jimmy, Wes and Oliver』(写真左)。2020年9月のリリース。ちなみにメインバンドのパーソネルは、Christian McBride (b), Joey DeFrancesco (org), Mark Whitfield (g), Quincy Phillips (ds)。2011年の『Good Feeling』、2017年の『Bringun' It』が、グラミー賞のベスト・ラージ・ジャズ・アンサンブル部門を受賞するという快挙を成し遂げたクリスチャン・マクブライドのビッグ・バンドの最新作。
ビッグバンド演奏にオルガンが参入している。オルガン担当は「ジョーイ・デフランセスコ」。タイトルとメインバンドの構成からも判る様に、ジミー・スミスとウエス・モンゴメリーの共演盤『Further Adventures of Jimmy and Wes』『The Dynamic Duo』と、これらの盤のアレンジを担当した、オリヴァー・ネルソンへのオマージュ盤である。
ファンキーかつゴスペル的なデフランセスコのオルガン、ファンキーでオクターブ奏法も芳しいホィットフィールドのギター。そして、バックを司るビッグバンドを、骨太でソリッドで弾ける様な重低音を響かせながらコントロールするマクブライドのベース。まず、ソロイストとしてこの3人が大活躍。マクブライドと共にリズムを作り出すフィリップスのドラムは、このビッグバンドのレギュラーとして、バンドサウンド全体のリズム&ビートを束ねる。
『The Dynamic Duo』からの「Night Train」「Down by the Riverside」、『Further Adventures of Jimmy and Wes』からの「Road Song」「Milestones」がやはり聴きもの。ビッグバンドのサウンドながら、軽快で爽快でポップ。新しいビッグバンド・サウンドがこの盤に詰まっている。
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