コンガは決して俗っぽくない
オールドなジャズ者の方々を中心に、コンガやボンゴなどのパーカッションについては「俗っぽい」ものとされていた。カウベルやスチールパンなども駄目。とにかく、パーカッションの入った、特にコンガやボンゴの入ったジャズは「俗っぽい」ものとされ、アーティスティックなものでは無いとされた。
僕はジャズを聴き始めた頃から、この感覚が全く理解出来ない。もともと、ジャズを聴き始めた頃、クロスオーバー〜フュージョン・ジャズの中で、ワールド・ミュージック志向のアフリカン・ネイティブなパーカッションや中南米音楽のパーカッションに慣れ親しんでいたので、パーカッションについては違和感は全くない。どころか「俗っぽい」と感じたことは一度も無い。
Lou Donaldson『The Time Is Right』(写真左)。1959年10月31日と11月28日の2セッションでの録音。ブルーノートの4025番。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as), Horace Parlan (p), Blue Mitchell (tp) が2セッション共通で、Tracks 1, 2, 4-7のリズム隊が、Laymon Jackson (b), Dave Bailey (ds), Ray Barretto (congas)。Track 3のリズム隊が、Sam Jones (b), Al Harewood (ds)。
ルーさんはコンガ好き。この盤も全7曲中6曲がコンガ入り。冒頭の「Lou's Blues」なんて、イントロからコンガ。恐らく、オールドなジャズ者の方々からすれば、この冒頭イントロのコンガを聴くだけで、ジャズ喫茶の席を立ったと思われる(笑)。でも、今の耳で聴いても、そんなに俗っぽい響きは感じられない。逆に、演奏全体に漂うファンクネスを増幅する役割を果たしている。
ピアノがホレス・パーランなので、リズム・セクションのリズム&ビートは古くない。当時の先端を行くクールなリズム&ビートで、コンガは入っているが、なかなか硬派なファンキー・ジャズが展開されている。ルーさんとトランペットのミッチェルの2管フロントの相性が抜群で、ユニゾン&ハーモニーの響きはとっても「ブルーノートらしい」。ルーさんのアルトも実にブルージーでファンキーで、当時のハードバップの先端を行く音だ。決して古く無い。
多弁で底抜けに明るいアルトなので、俗っぽいと低く見られがちなルーさんのアルトだが、とんでもない。多弁はバップなアルトなので当然だし、ファンキー・ジャズを奏でる中では、ルーさんのアルトはブルージーでクールな音で鳴り響く。音全体の印象はドップリと「ブルーノート・サウンド」。典型的なブルーノートなファンキー・ジャズが素敵な好盤です。
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