西海岸ジャズらしいベーシスト
ウエストコースト・ジャズ、いわゆる「米国西海岸ジャズ」は1960年代後半から1980年代半ばまで、我が国では「忘れ去られたジャズ」化していた。つまりは、我が国は「米国東海岸ジャズ」偏重だったのだが、21世紀になった今では、もうそういう偏った傾向は無い。
Don Bagley『Basically Bagley』(写真左)。ちなみにパーソネルは、Don Baglay (b), Jimmy Rowles (p), Shelly Mane (ds)。ベーシスト、ドン・バグレーをリーダーとしたピアノ・トリオ編成。リーダーのベーシストのテクニックと西海岸ジャズならではの「聴かせる」ピアノ・トリオ演奏の両方が楽しめる好盤である。
僕はこの「ドン・バグレー」というベーシストを21世紀に入るまで知らなかった。ネットの時代になって、ダウンロードで、我が国ではあまり知られていない米国西海岸ジャズの好盤の数々を聴くことが出来る様になって、初めて知った次第である。この盤は和訳すると「要はバグレー」。
この盤でのバグレーはひたむきにジャズ・ベースを弾いていて、これがこのピアノ・トリオ演奏における好サポートにつながっている。この盤のピアノ・トリオ演奏を内容の濃いものにしているのは、このバグレーのベースなのだ。バグレーのベースが演奏の底のビートをしっかり押さえているので、ドラムのシェリー・マンは丁々発止と変幻自在な技を披露できるのだし、ロウルズのピアノは歌心溢れるフレーズを一糸乱れず弾き切るのだ。
バグレーはベーシストだけに、リーダー作は数作しかない。しかし、スタン・ケントン楽団から始まって、リー・コニッツ、ショーティー・ロジャース、ベン・ウエブスターなどのバックを担当した、サイドマン志向のベーシストであったことが窺える。いわゆる「演奏の底のビートをしっかり押さえる」のに長けているベーシストなのだ。
21世紀なった今でも、西海岸ジャズを聴き進めて行くと、聴いたことの無いジャズマンに出くわして、ちょっと「あたふた」するのだ。今回、このバグレーもそんなジャズマンの1人。しかし、この人のベースを聴くと、とにかくひたむきにベースを弾いていて、音も歯切れが良くて清々しい。米国西海岸ジャズらしいベーシストと言えるのではないだろうか。
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