現代の4ビートなピアノ・トリオ
まだまだよく知らないピアニストがいるなあ、なんて感心した。ビル・カンリフ(Bill Cunliffe・写真右)。ブラジリアン・テイストをまぶした西海岸スムース・ジャズ畑のキーボーディストというイメージがあったが、以前、アコースティック・ピアノに絞って、コンテンポラリーな純ジャズ・トリオなリーダー作をリリースしていて、実は「あれれ」と思っていたのだが・・・・。
John Patitucci, Vinnie Colaiuta, Bill Cunliffe『Trio』(写真左)。2021年4月のリリース。ちなみにパーソネルは、Bill Cunliffe (p), John Patitucci (b), Vinnie Colaiuta (ds)。僕としては、チック・コリアのアコースティック系のトリオで、その名を知った、ベースのパティトゥッチ、ドラムのビニー・カリウタが「リズム隊」を担当している。これは「聴かなければ」盤である。
この盤、アルバム上の表記を見れば、トリオの構成メンバーの3人がそれぞれ対等にリーダーを張っている。が、プロデュースは「カンリフ」。コンテンポラリーな純ジャズ・トリオを「カンリフ」のピアノをメインに、現代のピアノ・トリオ演奏を創り上げていく。リズム隊に不足は全く無い。これは面白い。興味津々である。
演奏は「現代の」4ビートなピアノ・トリオの雰囲気濃厚。アレンジはアッサリしていて、恐らく、簡単な打合せをメインにヘッドアレンジっぽいまとめ方で作られている感じがする。が、このシンプルさが良い。そんなシンプルなアレンジの中で、強力リズム隊が丁々発止と極上のパフォーマンスを披露する。特にカリウタの自由度溢れるダイナミックなドラミングはいつ聴いても惚れ惚れする。
選曲は、チック者の僕好みで、特に4曲目の「The One Step」などは感謝感激雨あられである。チックの『Friends』の冒頭の1曲目のミッド・テンポの名曲なんだが、これをカンリフのピアノで再演している。パティトゥッチのブンブンなベースが凄く良い。そして、続くアップテンポの「Seven Steps to Heaven」も感謝感激雨あられ。アップ・テンポの印象的なフレーズを持った名曲。これをカンリフが軽快に弾き進め、カリウタのロング・ソロにノックアウトされる。
録音の状態も良好で、久し振りに本格的な「現代の」4ビートなピアノ・トリオ盤を心から楽しむ事が出来た。カンリフの純ジャズなピアノもリリカルで良いし、パティトゥッチのブンブンなベースは心地良く、カリウタの野生児の様な自由度溢れるダイナミックなドラミングは惚れ惚れする。なかなか良いピアノ・トリオ盤の出現である。
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