« ハードバップの良いところ満載 | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・205 »

2021年5月26日 (水曜日)

現代の4ビートなピアノ・トリオ

まだまだよく知らないピアニストがいるなあ、なんて感心した。ビル・カンリフ(Bill Cunliffe・写真右)。ブラジリアン・テイストをまぶした西海岸スムース・ジャズ畑のキーボーディストというイメージがあったが、以前、アコースティック・ピアノに絞って、コンテンポラリーな純ジャズ・トリオなリーダー作をリリースしていて、実は「あれれ」と思っていたのだが・・・・。

John Patitucci, Vinnie Colaiuta, Bill Cunliffe『Trio』(写真左)。2021年4月のリリース。ちなみにパーソネルは、Bill Cunliffe (p), John Patitucci (b), Vinnie Colaiuta (ds)。僕としては、チック・コリアのアコースティック系のトリオで、その名を知った、ベースのパティトゥッチ、ドラムのビニー・カリウタが「リズム隊」を担当している。これは「聴かなければ」盤である。

この盤、アルバム上の表記を見れば、トリオの構成メンバーの3人がそれぞれ対等にリーダーを張っている。が、プロデュースは「カンリフ」。コンテンポラリーな純ジャズ・トリオを「カンリフ」のピアノをメインに、現代のピアノ・トリオ演奏を創り上げていく。リズム隊に不足は全く無い。これは面白い。興味津々である。
 

John-patitucci-vinnie-colaiuta-bill-cunl
 

演奏は「現代の」4ビートなピアノ・トリオの雰囲気濃厚。アレンジはアッサリしていて、恐らく、簡単な打合せをメインにヘッドアレンジっぽいまとめ方で作られている感じがする。が、このシンプルさが良い。そんなシンプルなアレンジの中で、強力リズム隊が丁々発止と極上のパフォーマンスを披露する。特にカリウタの自由度溢れるダイナミックなドラミングはいつ聴いても惚れ惚れする。

選曲は、チック者の僕好みで、特に4曲目の「The One Step」などは感謝感激雨あられである。チックの『Friends』の冒頭の1曲目のミッド・テンポの名曲なんだが、これをカンリフのピアノで再演している。パティトゥッチのブンブンなベースが凄く良い。そして、続くアップテンポの「Seven Steps to Heaven」も感謝感激雨あられ。アップ・テンポの印象的なフレーズを持った名曲。これをカンリフが軽快に弾き進め、カリウタのロング・ソロにノックアウトされる。

録音の状態も良好で、久し振りに本格的な「現代の」4ビートなピアノ・トリオ盤を心から楽しむ事が出来た。カンリフの純ジャズなピアノもリリカルで良いし、パティトゥッチのブンブンなベースは心地良く、カリウタの野生児の様な自由度溢れるダイナミックなドラミングは惚れ惚れする。なかなか良いピアノ・トリオ盤の出現である。
 
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館》の更新状況》
 
 ★ AORの風に吹かれて        
【更新しました】 2021.03.06 更新。

  ・Journey『Infinity』1978

 ★ まだまだロックキッズ     【更新しました】 2021.03.06 更新

  ・Yes Songs Side C & Side D
      ・Yes Songs Side E & Side F

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【更新しました】 2021.03.06 更新。

  ・浪花ロック『ぼちぼちいこか』
 
 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から10年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

« ハードバップの良いところ満載 | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・205 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ハードバップの良いところ満載 | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・205 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー