レッドとマクリーンの素敵な共演
ブルーノート・レーベルのアルバムのリーダーを張ったジャズマンの中には、ブルーノートならではのジャズマンが幾人かいる。言い換えれば、ブルーノート・レーベルにのみ、好盤を残したジャズマン、他のレーベルに移籍してからは地味な存在、若しくは、その存在自体が消えていく、そんなジャズマンが幾人かいる。
Freddie Redd『Music from the Connection』(写真左)。1960年2月15日の録音。ちなみにパーソネルは、Freddie Redd (p), Jackie McLean (as), Michael Mattos (b), Larry Ritchie (ds)。フレディ・レッドは1928年ニューヨーク生まれのピアニスト。フレディ・レッドのピアノ・トリオをバックに、マクリーンのアルト・サックス1管がフロントのカルテット編成。
フレディ・レッドは、1959年にニューヨークのリビング・シアターの演劇「The Connection」の出演と音楽の作曲を担当した事で、一躍名前を知られるようになったピアニスト。典型的なバップ・ピアニストであるが、やや地味というか、目立たないタイプで、ジャズ・ピアノ好きが多い日本においても知名度は比較的低い。
フレディ・レッドの好盤はブルーノート・レーベルに固まっている。というか『The Music From The Connection』『Shades of Redd』『Redd's Blues』のブルーノートの3枚以外には、リヴァーサイド・レーベルからの『San Francisco Suite』、仏のFuturaレーベルからの『Under Paris Skies』くらいしか浮かばない。
フレディ・レッドの名を知らしめた、薬物中毒者を扱った演劇「The Connection」の楽曲を、ジャズのカルテット演奏に置き換えたのが、この盤である。このジャズ化された「The Connection」の楽曲、印象的なフレーズがてんこ盛りの良い曲ばかりで、フレディ・レッドはジャズ史上屈指の作曲家であり、ジャズ史上屈指のメロディ・メーカー、ということが言える。
そんな良曲に恵まれて、フロント1管のマクリーンのアルト・サックスが素晴らしいパフォーマンスを披露している。ワンホーンなだけに、心ゆくまで他に気兼ねすること無く、自らのイメージのフレーズを吹きまくる、この盤でのマクリーンは凄い。マクリーンのパフォーマンスの代表盤に上げて良いくらい充実したフレーズを吹きまくっている。
フレディ・レッドのピアノの本質はバップ。フレーズはブルージーでアーシー。マイナーなフレーズがメインのアドリブが哀愁感を引き立たせる。これが、マクリーンのちょっとピッチがフラットした、バップなアルト・サックスのフレーズにバッチリ合うのだ。ベースとドラムのリズム隊は平凡だが、マクリーンのアルト・サックスとレッドのピアノで充実のパフォーマンスである。
こういう盤、フレディ・レッドの優れたリーダー作をしっかりと残したブルーノート・レーベルはやっぱり凄い。総帥プロデューサーのアルフレッド・ライオンに敬服する。この盤を含めた「ブルーノート3部作」が残っているからこそ、フレディ・レッドというピアニストがジャズ史に、その名を留めることが出来たのだ。
そんなフレディ・レッド、2021年3月17日、NYにて92歳で逝去した。合掌。
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