パーカーの非凡な才能・その2
今から70年ほど前のジャズの演奏トレンド「ビ・バップ」。そのビ・バップの祖の一人、アルト・サックスのチャーリー・パーカー。パーカーの好盤を聴けば、その「ビ・バップ」が判る。僕は「パーカーを最初に体感するアルバム」については、ヴァーヴ・レーベルの「The Genius Of Charlie Parker(パーカーの非凡な才能)」シリーズをお勧めすることにしている。
『The Genius of Charlie Parker #2 : April In Paris』(写真左)。1949年11月30日、1950年7月5日、1952年1月22日、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Charlie Parker (as), Stan Freeman (p), Ray Brown (b), Buddy Rich (ds), Mitch Miller(oboe, English Horn) に with Strings。アレンジはジミー・キャロル。
パーカーは「ウィズ・ストリングス」がお気に入りだったとみえる。この盤でも、パーカーは喜々として、切なさと優雅さを併せ持った流麗かつエモーショナルなブロウを繰り広げている。ちなみに、この「ウィズ・ストリングス」を積極的に録音したのは、パーカー自身で、パーカーのアイデアだったそうである。なるほど合点がいった。喜々として気合いを入れて吹く訳である。
しかし、パーカーのアルト・サックスは良く鳴る。ブリリアントでブラスの音の輝きがダイレクトに伝わってくる。しかも、パーカーの演奏テクニックは超優秀。頭の中に閃いたアドリブ・フレーズを、いともたやすく音にしていく。加えて、ここまでバリエーション豊かなアドリブ・フレーズが閃くもんだなあ、と感心する。とにかく彩り豊かなパーカーのアルト・サックスである。
この『#2 : April In Paris』はバックのリズム・セクションも優秀。骨太な職人ベーシスト、レイ・ブラウンと、明快なバップなドラマー、バディ・リッチのプレイが突出している。この2人の叩き出すリズム&ビートがあってこそ、この「ウィズ・ストリングス」盤を、甘さ控えめ、クールでビターでビ・バップな純ジャズとして成立させているのだ。
「ウィズ・ストリングス」は、カルテットやクインテットな演奏に比べて、演奏の自由度が飛躍的高く、アドリブ・ソロを取るのが基本的にパーカーだけなので、パーカーのアルト・サックスだけが目立つことこの上無い。パーカーが「ウィズ・ストリングス」をお気に入りだったのは、昨日ご紹介した『#1 : Night And Day』や、この『#2 : April In Paris』を聴けばその理由が良く判る。
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