レジェンドなリトナーのソロ盤
フュージョン・ジャズのブームが1970年代後半から1980年代前半。あの頃大活躍していた20歳台から30歳台の名手達は、今では「60歳から70歳」になっている訳で、今でも第一線で活躍しているミュージシャンは「レジェンド級」である。レジェンド級になると、あくせくとリーダー作を作ることは無くなって、おしなべて自分の趣味に走った企画盤を作る傾向が強い。
フュージョン・ジャズのレジェンドなギタリスト「リー・リトナー」。1970年代後半、ジェントルソウツというグループを編成して一世を風靡した。そのエレギのスタイルが、即「フュージョン・ジャズ」の1つの主流なスタイルになった時代の寵児である。そんなリトナーも今年で69歳。2010年の『6 String Theory』辺りから、自分の趣味に走った企画盤を作り始めて早10年。
Lee Ritenour『Dreamcatcher』(写真左)。2020年12月のリリース。フュージョン・ジャズのレジェンドなギタリスト「リー・リトナー」のキャリア60年余の中で初となるギター・ソロ盤になる。実は、この盤の情報に接した時「またやってるよ」なんて、嬉しくてニヤニヤしたもんだが、8歳の時からギター演奏を始めて、60年間積み上げてきたリトナー、ギター・ソロ盤が今まで無かったとは知らなかった。
アルバム紹介文には「まさに今2020年コロナ禍の中、自らの想いや身の回りで起きている出来事から得たインスピレーションを繊細に表現した1枚」とあるが、確かに狭いスタジオという密室にミュージシャンやスタッフが詰め詰めになって録音する様は、まさに「3密」な状態な訳で、それを避けるという意味でも、今回のソロ・パフォーマンスというのは、コロナ禍の時代に叶った演奏フォーマットと言える。
さすがはフュージョン・ジャズのレジェンドなギタリスト、良い音を出している。とにかくギターの音が凄く良い。余裕のある悠然としたフレーズの弾きっぷり、速弾き出来るのにも拘わらず、敢えてスピードを抑えた「音を印象的に押さえたフィンガリング」。いや〜やっぱり上手い。そろそろ70歳に手が届く年齢なんて感じられない上質のテクニック。
余裕と抑制の弾きっぷりこそは、70歳に手が届く年齢ならではの賜。派手なところは極力抑えて、一聴すると「ちょっと地味かな」と思うんだが、繰り替えし聴くうちにジワジワ、リトナーの円熟のプレイの数々が心に沁みてくる。楽曲、演奏はもちろんなのだが、この盤、音質が最高に良い。大人のフュージョン・ジャズ盤として聴き応え十分のソロ盤。好盤です。
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