ハキムのモンク・トリビュート盤
セロニアス・モンクという天才ピアニスト&コンポーザーがいた。そのピアノは「ユニーク」。音の飛び方&重ね方、そして音の間、リズム&ビート、どれをとってもユニーク。実際の音を聴かないとピンとこないと思うが、このモンクのピアノは唯一無二なピアノ。ジャズの即興演奏の極みの様な、意外性抜群なアドリブ展開。
モンクは作曲も「ユニーク」。彼の書く曲は、ピアノのプレイと同様に、音の飛び方&重ね方、そして音の間、リズム&ビート、どれをとってもユニーク。とにかく演奏していて楽しい、そして意外性抜群。モンクの手なる曲は「ミュージシャンズ・チューン」。様々なジャズマンに演奏され、今や「ジャズ・スタンダード化」した曲が沢山ある。
Sadik Hakim『A Bit of Monk』(写真)。1978年10月27日、NYのDowntown Sound Studioでの録音。ちなみにパーソネルは、Sadik Hakim (p), Errol Walters (b), Satguro Singh (ds)。ビ・バップなピアニスト、サディク・ハキムがリーダーのトリオ盤。タイトル通り「セロニアス・モンク」トリビュート盤。LP時代収録の8曲中、4曲がモンク作の名曲、残り4曲がハキム作のモンク・トリビュート曲。
パーソネルを見渡して、ベースとドラムは全く知らない。ハキムだって良く知っている訳では無い。なのに、1978年というフュージョン・ジャズ全盛期に、こんなにしっかりした内容の「モンク・トリビュート」盤が企画され、録音されたことにちょっとビックリする。ハキムのピアノは力強いタッチ、流麗なラインでイマジネーション豊かなアドリブ・フレーズ。これがモンクの楽曲にピッタリとフィットしているのだから、ジャズは面白い。
モンクの難解な曲を前に、淀み迷いの一切無い切れ味の良いハキムのタッチがモンクの楽曲を、モンクの楽曲のユニークな旋律を的確に捉え、的確にその特徴を表現していく。そして、そんな難解でユニークなモンクの楽曲を自家薬籠中のものとして、ハキムのピアノは縦横無尽に弾き紡いでいく。ハキムのピアノがモンクの楽曲にこんなにフィットするとは「目から鱗」である。
聴いていて爽快感を感じる、とても内容のある「モンク・トリビュート」盤である。今回、リイシュー盤を聴いたのだが、ボートラが2曲ついているが、この2曲も良い内容。ハキムはこの盤の録音の5年後、63歳で亡くなる訳だが、この盤の内容、ハキムの晩年の快作として、記憶に留めておくべき好盤だろう。
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