« バーツとメイシャとの化学反応 | トップページ | レジェンドなリトナーのソロ盤 »

2021年3月13日 (土曜日)

ハキムのモンク・トリビュート盤

セロニアス・モンクという天才ピアニスト&コンポーザーがいた。そのピアノは「ユニーク」。音の飛び方&重ね方、そして音の間、リズム&ビート、どれをとってもユニーク。実際の音を聴かないとピンとこないと思うが、このモンクのピアノは唯一無二なピアノ。ジャズの即興演奏の極みの様な、意外性抜群なアドリブ展開。

モンクは作曲も「ユニーク」。彼の書く曲は、ピアノのプレイと同様に、音の飛び方&重ね方、そして音の間、リズム&ビート、どれをとってもユニーク。とにかく演奏していて楽しい、そして意外性抜群。モンクの手なる曲は「ミュージシャンズ・チューン」。様々なジャズマンに演奏され、今や「ジャズ・スタンダード化」した曲が沢山ある。

Sadik Hakim『A Bit of Monk』(写真)。1978年10月27日、NYのDowntown Sound Studioでの録音。ちなみにパーソネルは、Sadik Hakim (p), Errol Walters (b), Satguro Singh (ds)。ビ・バップなピアニスト、サディク・ハキムがリーダーのトリオ盤。タイトル通り「セロニアス・モンク」トリビュート盤。LP時代収録の8曲中、4曲がモンク作の名曲、残り4曲がハキム作のモンク・トリビュート曲。

 
A-bit-of-monk
 

パーソネルを見渡して、ベースとドラムは全く知らない。ハキムだって良く知っている訳では無い。なのに、1978年というフュージョン・ジャズ全盛期に、こんなにしっかりした内容の「モンク・トリビュート」盤が企画され、録音されたことにちょっとビックリする。ハキムのピアノは力強いタッチ、流麗なラインでイマジネーション豊かなアドリブ・フレーズ。これがモンクの楽曲にピッタリとフィットしているのだから、ジャズは面白い。

モンクの難解な曲を前に、淀み迷いの一切無い切れ味の良いハキムのタッチがモンクの楽曲を、モンクの楽曲のユニークな旋律を的確に捉え、的確にその特徴を表現していく。そして、そんな難解でユニークなモンクの楽曲を自家薬籠中のものとして、ハキムのピアノは縦横無尽に弾き紡いでいく。ハキムのピアノがモンクの楽曲にこんなにフィットするとは「目から鱗」である。

聴いていて爽快感を感じる、とても内容のある「モンク・トリビュート」盤である。今回、リイシュー盤を聴いたのだが、ボートラが2曲ついているが、この2曲も良い内容。ハキムはこの盤の録音の5年後、63歳で亡くなる訳だが、この盤の内容、ハキムの晩年の快作として、記憶に留めておくべき好盤だろう。
 
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館》の更新状況》
 
 ★ AORの風に吹かれて        
【更新しました】 2021.03.06 更新。

  ・Journey『Infinity』1978

 ★ まだまだロックキッズ     【更新しました】 2021.03.06 更新

  ・Yes Songs Side C & Side D
      ・Yes Songs Side E & Side F

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【更新しました】 2021.03.06 更新。

  ・浪花ロック『ぼちぼちいこか』
 
 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から10年。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

« バーツとメイシャとの化学反応 | トップページ | レジェンドなリトナーのソロ盤 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« バーツとメイシャとの化学反応 | トップページ | レジェンドなリトナーのソロ盤 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー