« M-BASEなネオ・ハードバップ | トップページ | 久し振りにクリスチャン・サンズ »

2021年2月 5日 (金曜日)

テオ・ヒルは「隅に置けない」。

中堅に差し掛かった、先行き有望なジャズ・ピアニストのリーダー作を掘り下げていくのは楽しい。今年の新リーダー作を聴いて、これは「ええなあ」と思う。そうすると、機会を見つけて、そのジャズ・ピアニストのリーダー作を、初リーダー作に遡って聴き進めて行く。そのピアニストの成長過程が確認出来て、そのピアニストの個性が良く理解出来る。

Theo Hill『Promethean』(写真左)。2017年の作品。ちなみにパーソネルは、Theo Hill (p), Yasushi Nakamura (b), Mark Whitfield Jr. (ds)。NY在住の日本人ベーシストである中村恭士とマーク・ホイットフィールド・ジュニアのドラムスによるピアノ・トリオ作品。

Theo Hill(テオ・ヒル)は、1982年生まれで今年39歳。2014年にSmalls Liveからデビュー作をリリースしたNYのピアニスト。中堅に差し掛かった、先行き有望なジャズ・ピアニストの一人。僕はこのピアニストについては、2020年4月12日のブログ「テオ・ヒルという中堅ピアニスト」で、最新作『Reality Check』をご紹介している。
 
 
Promethean  
 
 
最新作『Reality Check』はヴァイブ入りのカルテット編成。この盤はトリオ編成。ピアノ・トリオ作品は、そのピアニストの個性が明確に出るので、そのピアニストを理解するには最適な演奏フォーマットである。テオ・ヒルのピアノはクリアで明快。耽美的ではあるが、ダンディズム溢れ、甘さに流されることは無い。マッコイ・タイナーとビル・エヴァンスを足して2で割った様な感じかな(ちょっと乱暴かな)。

選曲がふるっている。ヒルのオリジナルは1曲のみ。ボビー・ティモンズ、ハービー・ハンコック、デューク・ピアソン、チック・コリア、トニー・ウィリアムス、ケニー・カークランド、ビクター・ルイスなどのオリジナルを採り上げているところが「只者では無い」。何れの曲もテオ・ヒルのピアノにピッタリで、ヒルって自分のピアノをよく理解しているなあ、と感心感心。

僕は大の「チック者」なので、チックのオリジナル「Litha」を興味深く聴かせてもらいました。ストレート・アヘッドな、モーダルな演奏を基本に、自由度の高い、極上の「ネオ・ハードバップ」。そして、テオ・ヒルのピアノのテクニックの素晴らしさ。テオ・ヒル、ってピアニスト、隅に置けません。
 
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館》の更新状況》
 
 ★ AORの風に吹かれて        【久々に更新しました】 2021.01.22 更新。

  ・『The More Things Change』1980

 ★ まだまだロックキッズ     【久々に更新しました】 2021.01.22 更新。

  ・The Band『Stage Fright』

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【久々に更新しました】 2021.01.22 更新。

  ・僕達は「タツロー」を聴き込んだ
 

Matsuwa_billboard
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から9年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
  
Never_giveup_4 
 

« M-BASEなネオ・ハードバップ | トップページ | 久し振りにクリスチャン・サンズ »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« M-BASEなネオ・ハードバップ | トップページ | 久し振りにクリスチャン・サンズ »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー