テオ・ヒルは「隅に置けない」。
中堅に差し掛かった、先行き有望なジャズ・ピアニストのリーダー作を掘り下げていくのは楽しい。今年の新リーダー作を聴いて、これは「ええなあ」と思う。そうすると、機会を見つけて、そのジャズ・ピアニストのリーダー作を、初リーダー作に遡って聴き進めて行く。そのピアニストの成長過程が確認出来て、そのピアニストの個性が良く理解出来る。
Theo Hill『Promethean』(写真左)。2017年の作品。ちなみにパーソネルは、Theo Hill (p), Yasushi Nakamura (b), Mark Whitfield Jr. (ds)。NY在住の日本人ベーシストである中村恭士とマーク・ホイットフィールド・ジュニアのドラムスによるピアノ・トリオ作品。
Theo Hill(テオ・ヒル)は、1982年生まれで今年39歳。2014年にSmalls Liveからデビュー作をリリースしたNYのピアニスト。中堅に差し掛かった、先行き有望なジャズ・ピアニストの一人。僕はこのピアニストについては、2020年4月12日のブログ「テオ・ヒルという中堅ピアニスト」で、最新作『Reality Check』をご紹介している。
最新作『Reality Check』はヴァイブ入りのカルテット編成。この盤はトリオ編成。ピアノ・トリオ作品は、そのピアニストの個性が明確に出るので、そのピアニストを理解するには最適な演奏フォーマットである。テオ・ヒルのピアノはクリアで明快。耽美的ではあるが、ダンディズム溢れ、甘さに流されることは無い。マッコイ・タイナーとビル・エヴァンスを足して2で割った様な感じかな(ちょっと乱暴かな)。
選曲がふるっている。ヒルのオリジナルは1曲のみ。ボビー・ティモンズ、ハービー・ハンコック、デューク・ピアソン、チック・コリア、トニー・ウィリアムス、ケニー・カークランド、ビクター・ルイスなどのオリジナルを採り上げているところが「只者では無い」。何れの曲もテオ・ヒルのピアノにピッタリで、ヒルって自分のピアノをよく理解しているなあ、と感心感心。
僕は大の「チック者」なので、チックのオリジナル「Litha」を興味深く聴かせてもらいました。ストレート・アヘッドな、モーダルな演奏を基本に、自由度の高い、極上の「ネオ・ハードバップ」。そして、テオ・ヒルのピアノのテクニックの素晴らしさ。テオ・ヒル、ってピアニスト、隅に置けません。
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