Jaco Pastorius『In New York』
最近、Weather Reportのアルバムを聴き直しているんだが、やはり『Black Market』から『Weather Report(1981)』までのアルバムが一番充実している。とりわけ、リズム・セクションの固定化が実現した『8:30』から『Weather Report(1981)』の3枚は、今のジャズと照らし合わせても「無敵」。群を抜いた内容の素晴らしさである。
特に、エレベの革新者、ジャコ・パストリアスの出現は度肝を抜かれた。『Heavy Wrather』の「Teen Town」でのエレベ・ソロは凄かった。僕は最初、ザヴィヌルがシンセでベース・ラインを弾いているんだと思った。せっかくベース奏者がいるのに無体なことするなあ、とザヴィヌルを疑った。が、これがジャコのエレベ・ソロだと知った時、唖然とした。
そして、彼の弾くベース・ラインについても明らかに革新的。ベース弦を弾くテクニックがずば抜けているが故に実現出来る、明らかに今までに無い、高速なベース・ライン。ベース・ラインにおける「シーツ・オブ・サウンド」。エレベがギターと共に、旋律楽器としてフロントを張ることだって出来る様になった。これは明らかにジャコのお陰である。
Jaco Pastorius『In New York』(写真左)。1985年11月、NYでのギグのライヴ録音。CD2枚組。ちなみにパーソネルは、Jaco Pastorius (el-b, vo), Hiram Bullock (el-g), Michael Gerber (ac-p), Alex Foster, Butch Thomas (sax), Delmar Brown (syn, vo), Kenwood Dennard (ds), Jerry Gonzalez (tp, congas)。
ジャコのブートレグ盤。音はまずまずで最後まで聴ける。演奏内容については、曲によっては「トホホ」なものもあるが、押し並べてまずまずの出来。ジャコのエレベについては、しっかりと楽しめる。「俺のベースについてこい」と言わんばかりに、強引に突っ走るような高速ベースライン。他のメンバーに合わせる気なぞ、さらさら無い。しかし、創造性溢れる「これしかない」的なベース・ライン。このライヴ盤、ジャコのエレベを愛でるには十分の内容になっている。
ハイラム・ブロックのエレギも凄い。以前、マイルスがエレ・ジャズをやる際に、ギタリストに耳打ちした指示が「ジミ・ヘンドリックスの様に弾け」。このライヴ盤でのハイラム・ブロックは、1970年代前半のマイルスが聴いたら喜ぶであろう、
本当にジミヘンの様に弾いている。部分的には「トホホ」な演奏もあるが、押し並べて、この盤のハイラム・ブロックのエレギは充実している。
ジャコのエレベとハイラムのエレギが突出している。ギクなので荒いところもあるが、生々しくて、意外と聴き応えのあるライブ盤である。
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