新しい才能のメジャー・デビュー
ジャズについては、毎年のように新しい「才能」が発見され、メジャー・デビューを果たしている。ある時は、有名なプロデュサーだったり、レジェンド級のジャズマンだったり、それら、ジャズにおいて実績のある人達が新しい才能を見出している。これって、まだまだジャズという音楽ジャンルは活性化されているということで、1970年代に「ジャズは死んだ」とされたことがあったが、僕はまだまだ「深化」していると思っている。
Joey Alexander『Warna』(写真左)。2020年1月のリリース。ちなみにパーソネルは、Joey Alexander (p), Larry Grenadier (b), Kendrick Scott (ds) のトリオに、Luisito Quintero (perc), Anne Drummond (fl) がゲストで加わっている。基本はピアノ・トリオ編成として良いかと思う。今年、弱冠17歳の天才、ジョーイ・アレキサンダーの、Verveレコードからのメジャー・デビュー盤である。
ジョーイ・アレキサンダー(2003年バリ島生まれ)のリーダーアルバムは、これで6枚目。デビュー作が2015年、12歳の時というから驚きである。2011年にジャカルタでハービー・ハンコックに見出され、2014年、ウィントン・マルサリスとリンカーン・センターで共演。12歳にして、グラミー賞に最年少でノミネートされた、ジャズにおける久々の「天才」の出現である。
タイトルの「Warna=ワルナ」とは彼の母国語、インドネシア語で「色」という意味。この盤は、彼自身がツアーで様々なところを巡った旅の記録となっているようだ。ジョーイいわく「色々なミュージシャンとセッションをするステージの上や、旅先での自分の体験、音楽的な対話から作ったオリジナル作品を共有したかった」とのこと。
ベースのグレナディア、ドラムのスコットを従えたピアノ・トリオ。素晴らしいテクニックと表現力を見せつけてくれる。これって17歳の出す音か、とビックリする。収録された全12曲中、1曲のみ、スティングの「Fragile」のカヴァーだが、残りの11曲はジョーイのオリジナル。このオリジナル曲がそれぞれ良い曲、良いフレーズを持つ曲なんで、その作曲能力にもビックリする。
彼の多彩なテクニックがしっかり反映され、オリジナリティー溢れるメジャー・デビュー作。もっと注目されても良いのになあ。まだまだ成熟はしていないし、まだまだ練れていないところもある。しかし、それにも増して、そのテクニックの素晴らしさ、フレーズの美しさ。まだまだ伸びしろが有り余っているのを感じる。次作が早くも待ち遠しい。
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