ジミー・ヒースの遺作バラード集
Jimmy Heath(ジミー・ヒース)。ジャズ・サックス奏者。1926年10月、米国フィラデルフィア生まれ。2020年1月、93歳で惜しくも鬼籍に入ってしまった。ジミーは音楽一家の出身で、はベーシストのパーシー・ヒース(兄)とドラマーのアルバート・ヒース(弟)の3人で「ヒース・ブラザース」として活動していた時期もある。ベーシストの兄、ドラマーの弟、共に優れたジャズマンで、ジミーも負けず劣らず優れた、レジェンド級のサックス奏者であった。
Jimmy Heath『Love Letter』(写真左)。2019年10〜12月の録音。ちなみにパーソネルは、Jimmy Heath (ts, ss), Russell Malone (g), Monte Croft (vib), Kenny Barron (p), David Wong (b), Lewis Nash (ds)。基本はサックス、ギター・ヴァイブがフロントのセクステット(6重奏団)編成。そこに、ゲストとして、Wynton Marsalis (tp on A-4), Gregory Porter (vo on B-2), Cécile McLorin Salvant (vo on A-2) が加わる。
今年の1月19日、93歳で惜しくも他界したサックス奏者ジミー・ヒースが、昨年末まで取り組んでいた遺作。今年の7月のリリース。このパーソネルを見ただけで、この盤の内容がかなり上質なものであることが想像出来る。本作は、ジミー・ヒースが得意とした、バラードをメインにしたアルバムである。
2019年10月23&24日のNYでの録音、11月21&22日ジョージア州アトランタでの録音、そして、12月4日カリフォルニア州ベイカーズフィールドでの録音の3つの録音セッションから成る。いずれのセッションも素晴らしい内容で、ヒースの吹き上げる極上のバラード演奏を心ゆくまで堪能出来る。バックを司る、多世代に渡るオールスター・メンバーも皆、好演に次ぐ好演。
現代のヴォーカル界のスーパースター、グレゴリー・ポーターとセシル・マクロリン・サルヴァント、そして、トランペットのレジェンド的存在、ウィントン・マルサリスがゲストとして参加した楽曲もあり、これがこれまた優れた内容。特にウィントンのトランペットが、メンストリーム志向のハードバップな吹き回しが見事。肩の力の抜けた、だた純粋にジャズ・トランペットを吹き上げるウィントンを久し振りに聴いた気がする。
リーダーのジミー・ヒースのテナー&ソプラノ・サックスは全く申し分無い。淀みなく流麗。切れ味良く運指も正確。グルーヴ感豊かで仄かに哀愁感漂うジミー・ヒースのバラード・テナーには、思わずしみじみと聴き入ってしまう。こんな溌剌としたテナーを吹いていたジミーが、最終セッションの2ヶ月後に鬼籍に入ってしまうなんて。誠に惜しい逝去でした。ご冥福をお祈りします。
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・『Middle Man』 1980
★ まだまだロックキッズ 【更新しました】 2020.10.07 更新。
・The Band の「最高傑作」盤
★ 松和の「青春のかけら達」 【更新しました】 2020.10.07 更新。
・僕達はタツローの源へ遡った
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