ウィルバー・ハーデン知ってる?
今日も雨模様の空。各地で大雨による被害が続出している。心配である。ここ千葉県北西部地方は雨に関してはまだそんなに激しく降ってはいない。しかし、蒸し暑い。曇り空が続いているので、気温は30度手前で止まるのだが、湿度はMax。これだけ湿度が高いとちょっと動くだけで汗がジンワリ滲み出て、実に不快である。
Wilbur Harden『The King and I』(写真左)。1958年9月、NYのVan Gelder Studioでの録音。サヴォイ・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Wilbur Harden (flh), Tommy Flanagan (p), George Duvivier (b), G. T. Hogan (ds)。リーダーのウィルバー・ハーデンのフリューゲルホーン1管のワンホーン・カルテットである。名盤請負ピアニスト、トミフラが参加。ベースにデュビビエ、ドラムにホーガンと渋いリズム隊。
リーダーのウィルバー・ハーデンは、1924年12月、アラバマ州生まれのジャズ・トランペット、フリューゲルホルン奏者。1969年に45歳で鬼籍に入っている。1958年後半に深刻な病気にかかったらしく、リーダー作は、1958年の元気な頃に出した4枚のみ。サイドマンとしても1957〜58年に集中しており、寡作のトランペッターである。
ハーデンのトランペットは聴き心地がとても良い。愛らしくてウォームな音色。決して派手派手しい立ち回りはしない。流麗というよりは「朗々」の方が言い得て妙。そんな「暖かで澄んでいて朗々とした」、この盤ではフリューゲルホーンで、有名ミュージカルの「王様と私」の、魅力的な楽曲の数々を吹き上げていく。楽曲の可憐な旋律と相まって、とても耳に心地良いハーデンのフリューゲルホーンである。
伴奏を務める、トミー・フラガナンこと「トミフラ」。名盤請負人と呼ばれるが、確かに、リーダー作のリーダーの楽器の音と個性に合わせた、個性が引き立つような弾き回しは「素晴らしい」の一言。本来は「バップ」なピアニストなんだが、ここでは、ハーデンのフリューゲルホーンの雰囲気にあった、可憐でウォームな、それでいて、そこはかとなくビートを効かせた弾き回しを披露している。このトミフラのピアノの弾き回し、聴きものである。
ホーガンの可憐で気品溢れるドラミング。デュビビエのベースが演奏の「底」そしっかりと押さえていて見事。ホーガンの愛らしくてウォームなフリューゲルホーンも良し。トミフラ率いるリズム・セクションも良し。アルバム全体、沁みる演奏のオンパレード。この盤によって、寡作の「ウィルバー・ハーデン」の名前が印象に残る。ハーデンにとって、この盤があって良かった。
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