ジャズ喫茶で流したい・171
酷く蒸し暑い千葉県北西部地方。この辺り、梅雨に入る前、確かにこういう天気になるんだが、年々、体に堪える度合いが増している。歳は取りたくないもんだ。これだけ蒸し暑いと、ハードな純ジャズは辛い。といって、ソフト&メロウなフュージョン・ジャズは刺激が足らない。耳当たりが良くて、刺激が満載。エレギのコンテンポラリーな純ジャズが良い。
Kurt Rosenwinkel『Angels Around』(写真左)。2020年4月のリリース。ちなみにパーソネルは、Kurt Rosenwinkel (g), Greg Hutchinson (ds), Dario Deidda (b)。ピアノレスのギター・トリオ。リリース時のキャッチ・コピーは「現代ギタリストの皇帝、カート・ローゼンウィンケルによる待望のスタンダードトリオ作品」。
デビューから個性溢れるエレギを展開するローゼンウィンケル。音的には、ジョンスコのギターから「変態的な捻れ」を排除し、アドリブ展開をポップなイメージにして、一音一音の伸びをより伸ばした様な音。以前は、ジャズ・ギターといえば「ウエス・モンゴメリー」が最初の第一歩だったが、ローゼンウィンケルの世代は「ジョン・スコフィールド」。現代的な良い音のするエレギである。
ハッチンソンはユーティリティーなドラマー。古典的なフレーズから、現代のスピチュアルな展開まで、どんなジャズにも適応する。を切っても素晴らしいプレイが魅力。デイッダは確かな腕のエレベ(この盤ではセミアコを使用しているらしい)。2016年より、このローゼンウィンケルのトリオのベーシストとして参加し、頭角を現した。伊のベスト・ジャズベースプレイヤーにも選出されている。
トリオ編成は、メンバーそれぞれの力量が問われる。三位一体となったインタープレイが出来るか、出来ないか。出来れば、心地良いテンションの下、丁々発止と硬軟自在、緩急自在なインタープレイが展開されるし、出来なければ、陳腐で平凡なセッションに成り下がる。この盤でのトリオは「出来る」。全編約50分、あっと言う間に過ぎ去る様な感覚。爽快感溢れ、クールでアーバンなインタープレイが展開される。
エレギ+エレベ+ドラム。コンテンポラリーな純ジャズに軸足をシッカリ残した、現代のエレクトリックなギター・トリオの好盤。スタンダード集と謳ってはいるが、ありきたりの「どスタンダード曲」は選んでいないところがニクい。爽快感溢れる聴き心地の良い演奏だが、意外と硬派で、正統な「芯」がグッと入っている。様々なパターンのインタープレイが展開されているが全く破綻が無い。かなりのレベルのギター・トリオである。
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