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2020年4月15日 (水曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・76

コロナウィルスに関する緊急事態宣言が発効されてから、1週間以上が経つ。自分については、週2回の食料の買い出しと、一日1回の家の周辺での散歩以外は出歩かない。人と会うのも、買い出しの時くらい。散歩時は、家の周りは古い閑静な住宅街なので、ほとんど人に出会うことは無い。この際なので、家に引きこもっている時は、ジャズ本の読書とアルバム・ライブラリの改善をしている。これが意外と手がかかって面白い。

Ben Webster & Harry "Sweets" Edison『Ben and "Sweets"』(写真左)。別名『Wanted to Do One Together』(写真右)。同一音源で2種類のタイトルでリリースされているので紛らわしい。1962年6月6&7日の録音。ちなみにパーソネルは、Harry "Sweets" Edison (tp), Ben Webster (ts), Hank Jones (p), George Duvivier (b), Clarence Johnson (ds)。

テナー・サックスのベン・ウエブスターは1909年生まれ。録音当時は53歳。1973年に逝去しているので、晩年のプレイになる。トランペットのハリー・スウィート。エデソンは1915年生まれ。録音当時は47歳。油の乗った中堅ジャズマン。この二人のフロントマンの味のある、小粋なパフォーマンスを心ゆくまで愛でることに出来る、渋い渋い内容の好盤。ビ・バップでもないし、ハードバップでも無い。スウィングとハードバップの間、いわゆる「中間派」っぽい演奏である。
 
 
Ben-and-sweets  
 
 
派手さは全く無い。テクニックを見せつけるような高速パフォーマンスも無い。ただただ、心地良くスイングし、心ゆくまでジャジーな演奏が堪らない。ウエブスターのテナーは、若手から中堅時代のコッテリと癖のあるテナーが、ちょっとスッキリとした癖のあるテナーに変わっていて、意外に聴き易い。エディソンのトランペットも同様だ。とりわけ、エディソンについては、ミュート・トランペットが秀逸。思わず聴き惚れる。

じっくりと味わいのある二人のフロントのパフォーマンスに終始、耳を奪われる。バックのリズム・セクションも小粋なもの。この小粋で味のあるピアノは誰かな、と思ってパーソネルを見たら、やっぱり「ハンク・ジョーンズ」でした。ベースは堅実ベースのデュビビエ。地味だがスインギーなジョンソンのドラムと相まって、実に良い漢字のリズム・セクションのパフォーマンス。良きフロントには良き伴奏がある。

ちなみに、この録音メンバーは、ビリー・ホリデーの晩年セッションの中心メンバーだそうです。なるほど、渋くて息が合って小粋な演奏内容の筈です。納得しました。最近の引きこもりのお陰で、今まで気がつかなかった「ウラ名盤」っぽい盤を発掘し、聴くことが出来て、かなり得した気分になっている。この「逆境」をなんとか、ジャズのウラ名盤発掘で楽しんでいる。
 
 
 

《バーチャル音楽喫茶『松和』別館》

【更新しました】2020.03.29
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Never_giveup_4
 

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