音楽喫茶『松和』の昼下がり・75
今日は朝から雨。夕方には風も強くなって、大荒れの天気。3月に入って短い周期で天気が変わる。それでも、朝はずいぶん暖かくなった。暖かくなってくると、昼下がりには穏やかでホンワカしたジャズが聴きたくなる。そうなると、選盤に偏りが出てきて、毎年、春になると、米国西海岸ジャズの盤を選ぶ頻度が高くなる。
『Max Bennett』(写真左)。1955年12月14日、NYでの録音。ベツレヘム・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Max Bennett (b), Nick Travis (tp), Charlie Mariano (as), Jack Nimitz (bs), Carl Fontana (tb), Dave McKenna (p), Mel Lewis (ds)。 フロント4管のセプテット(七人)編成。
マックス・ベネットは、スタン・ケントン楽団出身、独立後、数々の名セッションに参加している米国西海岸ジャズの主要ベーシスト。ベーシストは基本的にリーダー作が少ない。ベネットも例に漏れず、リーダー作は少ない。そんな彼の貴重なリーダー作品であり代表作。洒落たアレンジによる典型的な「西海岸サウンド」を展開する傑作である。
ベーシストのリーダー作の理想形は、ベースの役割、ベースの音色、そしてそのテクニックをグループ・サウンズを通じて、自分志向のジャズ演奏の中で演出する形態。この盤はその理想形を踏襲していて、まず、典型的な米国西海岸ジャズの演奏の中で、ベネットのベースがしっかりと活躍している。適度な低音、軽やかなウォーキング・ベース。ベネットの個性がしっかり聴きとれる。
フロントが4管だが、その編成が「トランペット・アルトサックス・バリトンサックス、トロンボーン」と、テナーサックスが無くて、低音を司るバリサクとボーンの存在が目を引く。このユニークな編成の4管が、洒落たクールなアレンジによって、実に魅力的に響く。特にユニゾン&ハーモニーが絶妙な響き。
実は、この盤の演奏、米国西海岸ジャズにしては、かなりハードな演奏になっている。東海岸のハードバップのハードな演奏をちょっと想起するのだが、フロント4管をベースとした洒落たアレンジが、そんなハードさを和らげて「円やかなハードさ」に落ち着いて、やっぱりこれって、米国西海岸ジャズやなあ、とつくづく思うのだ。
《バーチャル音楽喫茶『松和』別館》
【更新しました】2020.03.02
★ まだまだロックキッズ ・・・・ クールで大人な『トリロジー』
【更新しました】2020.03.08
★ 青春のかけら達 ・・・・ 荒井由実『COBALT HOUR』
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
東日本大震災から9年。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
« 現代の「ジャズ・オルガン」盤 | トップページ | 西海岸の「ハードバップ」な盤 »
コメント