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2020年1月29日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・159

この盤を何気なく聴き始めて「あぁ、これは良いテナー・サックスだなあ」と耳を傾けつつ、この盤はなかなかの好盤ではないか、と推察する。さて、これは誰のリーダー作か。演奏の雰囲気から、テナー・サックス奏者がリーダーであることは何となく判る。とにかく良い音で鳴るテナーだ。誰だろう。ジャケットを見ると「Grant Stewart(グラント・スチュワート)」。

そして、双頭リーダー的位置づけで「Fabio Miano(ファビオ・ミアノ)」。スペインのピアニストである。グラント・スチュワートとファビオ・ミアノの双頭名義のアルバムである。そして、その片割れ、グラント・スチュワートについては、「エリック・アレキサンダーと並ぶ正統派テナーの雄」とネットの説明にある。別の説明書きには「国際的に有名」と。が、僕はこのテナー・マンを知らなかった。エリックは日本では有名なんだけどね〜。

Grant Stewart & Fabio Miano『Namely You』(写真左)。2019年1月のリリース。ちなみにパーソネルは、Grant Stewart (ts), Fabio Miano (p), Clement Daldosso (b), Bernd Reiter (ds)。グラント・スチュワートのテナーがワンホーンのカルテット編成。リズム・セクションは、スペインのピアニスト、ファビオ・ミアノのトリオである。
 

Namely-you

 
癖がなく、明朗にブラスの響きが芳しいテナーである。ほんと良い音で鳴っている。これだけでも聴きものである。加えて流麗。ネオ・ハードバップなフレーズの展開。アブストラクト&フリーとは全く無縁。聴いていて惚れ惚れする。テクニックも優秀、ブロウがス〜ッという感じでストレートに伸びる。タンキングについても癖が無い。とにかくサックスの音が「綺麗」。

癖が無く、音が綺麗な分、アルバムとして聴くには選曲が重要になるのだが、「ネイムリー・ユー」「ローラ」「いそしぎ」などの、テナー・サックスの音が映えるスタンダードや、コルトレーンの「ストレイト・ストリート」やコールマンの「アムステルダム・アフターダーク」など、テナーの音とフレーズ作りを知り尽くしたテナーマンの名曲が選曲されている。これがこの盤の要。

バックを支えるファビオ・ミアノのトリオも、癖がなく、正統なネオ・ハードバップな雰囲気。グラント・スチュワートのテナーには最適なリズム・セクションである。

トリオを構成する3人とも僕は「初見」である。しかし、この盤の内容は、ネオ・ハードバップの好盤として十分に評価出来るもの。なぜ、この盤のパーソネルの面々は日本では全くのマイナーなのか。この盤も意外とマイナーな扱い。どうにも理解出来ないなあ。とにかく、この盤「好盤」です。
 
 
 
東日本大震災から8年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
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