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2020年1月 3日 (金曜日)

日本の正月のJM 『A Day With Art Blakey』

2020年が始まりました。昨年の年末、ちょっと冷え込みましたが、このお正月は穏やかな良い天気続きで、特に日中は暖かな三が日でした。と、ボーッと生きていたら、2020年になって、はや3日が経ちました。21世紀になってもう19年が経った訳で、2010年代はあっと言う間に終わっちゃった訳で、なるほど歳を取る訳です。ということで、今年も、我がバーチャル音楽喫茶『松和』をよろしくお願いします。

新年になって初めて聴くジャズ、いわゆる「今年最初のジャズ盤」である。いつも頭を悩ます問題ではある。まあ、拘る必要が無いと言えば、拘る必要の無い問題で、そんなん、その時聴きたいジャズ盤を聴いたらええやん、というドライなジャズ者の方もいらっしゃるだろうが、僕はそれが出来ない。なんかしら理由を付けて、その理由を反芻し悦に入って、今年のジャズ盤鑑賞を始めたい。

Art Blakey & The Jazz Messengers ‎『A Day With Art Blakey(Live In Japan 1961)』(写真)。1961年1月2日、Sankei Hall(サンケイホール・東京)でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Jymie Merritt (b), Bobby Timmons (p), Wayne Shorter (ts), Lee Morgan (tp)。アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの初来日時のライヴ録音。
 
 
A-day-with-art-blakey_20200103213001    
 
 
昨年(2019年)は、アート・ブレイキーの生誕100周年の記念の年であった。ということで、Art Blakey & The Jazz Messengersのアルバムをまとめて聴き直している途中である。その流れの中でこのライヴ盤。正月の録音と言えば、真っ先にこのライヴ盤が浮かぶ。当時、相当センセーショナルな出来事で、当時、とても珍しかった外タレが来る、ということで社会現象にもなったほど。大歓迎につぐ大歓迎。おもてなしにつぐ、おもてなしだったそうである。

で、このライヴ盤の演奏内容であるが、かのファンキー・ジャズの大名盤『Moanin'』のパーソネルから、テナー・サックスだけが、ベニー・ゴルソンからウェイン・ショーターに代わっている。いわゆる「音楽監督」的存在が交代した訳で、メンバーの「持ち味」を活かしたアレンジをするゴルソン、自分のやりたいことをバンドにやらせるショーター。ということで、このライヴ盤では「モーダルなジャズ」の雰囲気が濃厚に漂っている。『Moanin'』の演奏イメージを想定していた当時の我が国のジャズ者の皆さんは、かなり面食らったそう。

ハードバップ〜ファンキー・ジャズだ、と思っていたら、全く異なる「モード・ジャズ」が鳴り響いたのだからたまらない。当時の「ジャズの進化」の洗礼を思いっ切り浴びた格好ではある。しかし、それでも、ライヴ盤に記録されている拍手や歓声は熱狂的。演奏中の静寂も含めて、当時の我が国のジャズ者の方々は、ジャズを「アート」と認識していたことがとても良く判る。とても含蓄に富むライヴ盤である。
 
 
 
東日本大震災から8年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 


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