地味だけど味わいのあるアコギ
朝夜と冷え込む様になった。特に、この金曜日から土曜日にかけては寒いのなんのって。いきなり冬でした。しかし、今日は朝からちょっと暖かくなって、ちょうど11月下旬の陽気に戻った様です。明日は天気は悪いが、季節外れの暖かさ、でも明後日は気温は急降下とか。今年の秋は気温の乱高下が目立つ。
今年の秋は「米国西海岸ジャズ」。西海岸ジャズの100枚、と題して、ピックアップしたジャズ盤を順に、聴きなおしたり初めて聴いたり。米国西海岸ジャズは「優れたアレンジ・アーバンな雰囲気・洒脱なアドリブ」。東海岸ジャズの「熱気」に対する、西海岸の「洒脱」。東海岸ジャズのポイントは「アドリブ」、西海岸ジャズのポイントは「アレンジ」。
Al Viola『Solo Guitar』(写真左)。1957年の作品。サントラなど生涯で500タイトル以上の録音に参加、フランク・シナトラのサポートを25年に渡って務めた「裏方職人な」ギタリスト、アル・ヴィオラ。彼のギターには、整然とした「自由」と「節度」が共存している。端正な閃きに溢れた即興演奏。ソロ・ギターでありながら、曲毎に良くアレンジされている。
ジュリー・ロンドンの『Lonely Girl』では、アコギ1本で伴奏を務めている。アル・ヴィオラのアコギは地味ではあるが説得力があり、ギターのユニゾン&ハーモニーがシャープであり、音の伸びと抜けがやたらと良い。そんなアコギ一本でジュリーのボーカルを受け止めている。そんな印象的な音のアコギがソロ・ギターを奏でている。
超絶技巧な生ギターのソロ演奏。晩秋の夜長、米国西海岸ジャズが聴きたいと思ったら、まずはこの一枚。クラシックの素養がベースの、西海岸ジャズらしい、音の基礎が整った、ほど良くアレンジされた即興ジャズ。ギター。大向こう張った、大掛かりな展開とは全く以て無縁。地味と言って良い程、淡々と粛々とアドリブ・フレーズを展開していく。
全編クラシック・ギター1本で奏でられた、リラックスして聴けるギター・ソロの傑作盤。地味ではあるが、聴けば聴くほどの味わいのある、噛めば噛むほど味が出る「スルメの様な」盤。シンプルなアコギ1本の音が、こんなにも表情豊かでニュアンスに濃淡があるのか、と改めて驚く。こんなギター・ソロ盤が米国西海岸ジャズに存在するとは。いやはや、米国西海岸ジャズは奥が深い。
東日本大震災から8年8ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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