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2019年11月16日 (土曜日)

スピード感溢れるビッグバンド

大編成のビッグバンド・ジャズ。ジャズの人気が落ちていく中、ジャズの演奏家自体の絶対数が減少するので、21世紀になったら、ビッグバンド・ジャズは「絶滅危惧種」化しているのでは、と危惧していたが、これは杞憂であった。21世紀に入っても、ビッグバンド・ジャズはしっかりとジャズに根付いている。

Jazz at Lincoln Center Orchestraや、Jazz Orchestra of the Concertgebouwなど、パーマネントな活動を維持しているビッグバンドもあり、意外とビッグバンド・ジャズは人気があるのでは、と睨んでいる。例えば、このビッグバンドも、人気上昇のお陰で実際のビッグバンドが編成された、面白い例である。

Battle Jazz Big Band『4th』(写真左)。2009年7月のリリース。コンマスの吉田治 (as) をはじめとして、純国産のビッグバンドである。リード・トランペットは佐久間勲、則竹裕之 (ds)が正式参加など、腕に覚えのある国内のジャズメンが集結。それぞれの曲のアレンジが優秀で、ダレたところが一切無い。このスタジオ録音2枚目も充実したビッグバンド演奏がぎっしり詰まっている。
 
 
4th-battle-jazz-bigband  
 
 
もともとこの「Battle Jazz Big Band」シリーズって、高速なジャズばかりを集めたコンピCDとして始まった「Battle Jazzシリーズ」が、その人気の高さによって、急遽、オリジナルのビッグバンドを編成し、実際のオリジナルな演奏を撮り下ろして収録を始めたもの。この盤は『4th』=4枚目、だが、実際のオリジナル演奏を収録したアルバムとしては『3rd』以来、2枚目の録音盤になる。

ノリも良く、グルーヴ感も良好、アルバムを聴き終えると、スカッと抜群の爽快感。景気の良いオープニングのバディリッチ作の「Good News」、常識破りのアレンジ、全編トロンボーン・セクションをフューチャーした3曲目「Donna Lee」、手に汗握る、超絶技巧かつ疾走感抜群のラストの「Magic Flea」まで、思う存分、切れ味の良いビッグバンド・ジャズを堪能出来る。

プロのテクニック+学バンのノリ+超カッコいい曲=BATTLE JAZZ BIG BAND、がコンセプトで、高速でスピード感溢れる、格好良く思いっ切り心地良くスイングする演奏は聴き応え充分。一糸乱れぬアンサンブルとダイナミズムは世界の他の優秀なビッグバンドと比肩するもの。久し振りの聴いた『4th』だが、やっぱり良い。これは大変、他のアルバムも聴き直さないとなあ。
 
 
 
東日本大震災から8年8ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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